ハラール認証

なぜハラール認証なのか

 人間の基本的欲求の筆頭に位置する食への欲求が満たされない限り、他の欲求はそれほど大きな重要性を持ちません。歴史を通して、生活を維持し良くしていくために努力してきた人類は、今日においても欠くことができない食という行為において、文化、信仰、食事形式に応じて選択して、食物についての真の意味での審査官であることが必要となっています。

 信仰が求めるところを実践していくために、ムスリムはまず何を食べたのかを認識し、摂取している食物がハラール(合法)であること、清潔で衛生的であること、健康的であることに確信を持てるようにするべきなのです。

 この点で、「世界人権宣言」(1948年12月10日)やトルコの憲法でなされている制定は、消費者に焦点を当てたものです。

 世界人権宣言によると、安心して食事から栄養を摂取し健康を維持していくためには、予防的介入の促進が非常に重要であり、個人が自らや家族のために健康や安全性を確保することに関連しては、食習慣や好みに応じて食べ物を選ぶことができるべきであり、その権利が保証されなければいけない、とされています(第25条)。この条項は、トルコ憲法第172条でも、「国家は、消費者を保護し、情報を提供するための政策を講じ、消費者が自身による被害防止対策を奨励する」という形で言及され、強調されています。行政機関にも、この点において責任と役割があることが明示されているのです。

 ハラールである食べ物は、農場から食卓に至るまで、さらには流通の管理をも包括する一連の過程において、合法で衛生的で健康的であるという条件を満たす過程の一段階一段階を確実なものとし、その食品がどのようなプロセスを経て製造されたか、製造環境、原材料、添加物等の全てを明らかにし、その期待に応える必要があるのです。

トルコ規格
OIC/SMIIC1 (イスラム諸国会議機構/イスラム諸国標準計量学会)

ハラール食品の標準的な指針

  • 食品の安全
  • 消費者の権利
  • 動物の権利と福祉
  • 食品衛生・衛生設備
  • 包装とラべリング

イスラームの規定とハラール食品

 OIC/SMIIC(イスラーム諸国会議機構/イスラーム諸国標準計量学会) は2011年12月1日付けのハラール食品の標準的な指針において示されている規定を基本とし、これらの規定に基づいたハラール認証を行っています。

 一方で国際標準化機構が発表したISO22000食品安全マネジメントシステム基準では、食品の安全のみを評価し、食品の原材料におけるハラールではない要素(豚肉、血液、死肉、アルコールを含むかどうか、肉類については合法に屠られたかどうか)については情報が与えられていません。ただし、食品に添付されたラベルの情報、ハラール食品の認証マーク、説明書などにより、ハラール食品について関心があり注意を払っている消費者の方々の情報入手の権利が保護されることになります。

 宗教、知識、良心、そして道徳といった観点を持つハラール食品の動向は、ムスリムが少数派である国々でより重要性をもつとはいえ、今日では宗教や国を問わず、健康を最優先事項ととらえ、食べ物、飲み物の安全を求める人々にとっても重要な意味を持つものです。

 私たちが行った調査に参加した人々は、食品の消費においてその90%以上がハラール食品を選択し、ハラール認証を求めていました。

 事業者は、こうした顧客のニーズと期待に応え、自由主義市場経済に対応し、特に海外において製品のブランド力を高め、市場におけるシェアを拡大するために、ハラール認証を必要としています。さらには近い将来、「ハラール認証は不可欠なもの」という状況となることが予測されます。イスラーム国家間の連携により、全ての製品が国際的に認証されることとなるでしょう。

 人間の健康、知識、財産、信仰、来るべき社会、それらの尊厳が守られるように、一神教の宗教の根本的な価値観が守られるために、ハラール食品を利用することが必要です。

 ハラール食品に関する活動は、世界中のムスリムの一体化、活性化、そして取引のための一つのチャンスです。人口という点では世界の25%を占めるイスラーム国家は、世界貿易の約9%を占めています。私たちは天然ガスや石油といった資源の3分の2を所有しています。世界経済に占めるシェアを増し、迅速に情報収集する能力を高め、変化への対応力を培い、常に、その時々に、物事を決め方向づける能力を全人類への貢献のために用いるべきなのです。

イスラーム諸国会議機構(OIC)

OICmapJP

製品が国際的に承認されることにより、イスラーム国家間の連携が生まれるようになるでしょう。ハラール認証は、健康的な生活と信仰が求めるものを製品化したものですが、一方で生産者が何を生産したか、消費者が何を消費したかを認識すること、管理機能が作用すること、商品ラベルの記載事項と実際に含まれるものの一致や分析能力も高めるものとなります。そうでなければ、消費者は手にした品の
「当社の製品には豚由来のものは含まれません」
「アルコールを含みません」
「当社の製品は健康的で天然のものです」
といった表記をどのように確認できるでしょうか。
今日、生産者は故意に、あるいは知らずに、何らかの製品の生産においてハラールではないものを使用する可能性があるのです。この状況における消費者と生産者の間に横たわる問題を解消する上で、ハラール認証は信頼の源となるのです。市場の安定と調和をもたらすものとなります。トルコ標準規格院はこの2年間ハラールにまつわる調査を行ってきました。その過程において方向性を与えてきたのは、いくつかの重要な発見でした。この発見と認識の一連の成果は、今日しばしばトルコやヨーロッパ諸国のハラール市場の中で目にすることができます。それは食品のみならず、包装、化粧品、観光業、サービス業、そして運送業の分野においても加速されていくでしょう。特に観光の分野において、ホテルが数百項目にもわたる分野でハラール認証を求めていることは、多くの分野や生産者をハラール認証の取得へと向かわせるでしょう。これは国内の生産者や企業家に大きなビジネスの機会をもたらすことでしょう。

 トルコ宗務庁の多大な支援と貢献により、神学、医学、生化学、獣医学、食品科学そしてIT分野での有識者たちによって構成されている学術諮問委員会のメンバーの助力により、トルコ標準規格院によって行われているTS OIC/SMIIC 1・2011ハラール認証活動にのとった食品が万全の体制で健康的・衛生的に生産され、ハラールであることに確証を抱くことを望み、その点において注意深い消費者の要望に応じること、また生産者が輸出の際に直面する問題を根本的に解消することを目標としています。

ハラール認証の有効範囲として

  • 食料品
  • 肉及び肉製品
  • 牛乳及び乳製品
  • 卵及び卵製品
  • 穀物及び穀物製品
  • 植物及び動物由来の油もしくは脂肪
  • 果物及び野菜、それらの加工品
  • 砂糖や砂糖加工品
  • 飲料(アルコールを含まない飲料)
  • 蜂蜜及び副生品
  • 栄養補助食品
  • 食品添加物
  • 酵素
  • 微生物
  • 魚やその加工品
  • カカオ及びその加工品
  • 茶及びその加工品
  • コーヒー及びその加工品
  • 油糧種子(オイルシード)
  • 香辛料及び調味料
  • 特定機能栄養食品
  • デンプン及びその加工品
  • 即席食品(インスタント)

といった製品グループごとに、TS OIC/SMIIC1の基準にもとづいて、認証されています。要望に応じ、ハラール製品の認可申請は、有効期間が1年のタイプと製品の賞味期限までのタイプに分けて実施されています。

食品関連とその施設

  • 食品工場/食品加工用厨房
  • レストラン
  • カフェテリア
  • パティスリー
  • ファーストフード
  • マーケット

といったサービスの範疇では、TS OIC/SMIIC 1 及びTS 13571 の基準をもとに、認証が行われています。