أَتَأْمُرُونَ النَّاسَ بِالْبِرِّ وَتَنسَوْنَ أَنفُسَكُمْ وَأَنتُمْ تَتْلُونَ الْكِتَابَ أَفَلاَ تَعْقِلُونَ ﴿٤٤﴾

兄弟、姉妹の皆様にとり、祝福された金曜日でありますように!

私たちは、試練の場としてこの現世に生きています。また、主のしもべとして私たちは、まずは自分自身に課されている試練を乗り越えるよう、義務づけられてもいます。私たちは、現世と来世の両方における平安を達成するという 責任の感覚に基づいた上で、行動しなければなりません。私たちは、自分自身、私たちの主、そして私たちのコミュニティに対する自らの責任を果たさなければなりません。事実、万有の主はクルアーンにおいて、次のように定めて おられます。「信仰する者よ、あなたがた自身を守る責任は、あなたがたにある。あなたがたが正しい道を踏むなら ば、迷った者はあなたがたを妨げることは出来ない。あなたがたは挙(こぞ)ってアッラーに帰るのである。その時かれは、あなたがたの行ったことを告げ知らせるであろう。」

親愛なる信仰者の皆様!

責任感のある人は、日々の生活においても、義務の感覚を忘れずに過ごしています。その人は人生を、様々な出来事 を、そして世界を、教えを得るための学びの場としてみなしています。その人は、自分がこの世界にただ放置されて いるのではなく、授けられたあらゆる恩恵、口に出した言葉や実際の行動などが、確実に記録されているのだという ことを、非常によく自覚しています。責任感のある人は、人生のあらゆる場面において誠実さと正直さ、道徳と美徳 とを前提としています。嘘をついたり、誹謗中傷したり、不正や欺瞞を行なって自らを傷つけることも、また自らの コミュニティを害することもしません。

兄弟、姉妹の皆様!

自らに課された責任を知る人ならば、自分が過ちを犯すはずがないと思い込んで、傲慢に陥る(おちいる)こともありません。それは主が、次のアーヤにおいて告げたもう通りであります。「だから、あなたがたは自分で清浄(せいじょう)ぶってはならない。かれは主を畏(おそ)れる者を最もよく知っておられる。」自らの責任を意識する人ならば、まずは自らの過ちを正すための努力をするでしょう。その人は自らを省(かえり)みることを放棄(ほうき)することもなく、他人の過ちについて語ることもしません。他人の隠す罪を標的にして、あばき立てるよ うなこともしません。次のハディースを蔑(ないがし)ろにすることはできないのです。「ムスリムの過ちを咎め(とが)めなかった者に対し、アッラーは復活の日、その者の過ちを咎めないでくださるだろう。」

責任感を持つ信仰者は、自らに課された義務とは、イスラームの定めた限度を超えずに生きることであると知ってい るのです。それはハラール(合法)とハラーム(非合法)についての感受性を持つということであります。誠実さを もってタウバ(悔悟)の門に入り、誤った歩みのひとつひとつを悔いることであります。罪深い行為に、意図的に執 着することではありません。

Friday Prayer - Jumuah Khutba 「Those Who Forgot Allah Will Be Forgotten」
Friday Prayer – Jumuah Khutba 「We Are Responsible For Ourselves First」

兄弟、姉妹の皆様!

私たちの全能の主は、次のように告げておられます。「あなたがたは、人びとに善行を勧め(すすめ)ながら、自分 では善を行うことを忘れてしまったのか。あなたがたは啓典を読誦しながら、それでもなお理解しないのか。」 第 一に、責任感のある人は自分自身のために善良さを原則とします。その人は自らの性質と言葉によって、自らのコミュニティにおける模範となるでしょう。実際に、自分自身が善良な道を歩んていなければ、他人をその道に導くこと ができないのは確かであります。悪の奴隷となった人には、他人を悪から遠ざけることはできません。公正さと正義 を果たさない人には、他人にそれを教えることはできません。高潔(こうけつ)な態度をもってふるまわない人に は、他人にとっての道徳や美徳の模範となることはできません。

尊敬すべきムスリムの皆様!

私たち人間は、地上で最も尊い存在として創られました。私たちはこの尊厳に、私たちの信仰という冠(かんむり) を戴(いただ)いたのです。ですから、人間として創られ、信仰を授けられたことの祝福の価値を、しっかりと 理解しましょう。これらの祝福には、責任が伴(ともな)うのだということを、決して忘れないようにしましょう。自分自身、私たちの主、私たちが責任を負っている人々との関わりにおける誠実さを、決して放棄(ほうき)す ることのないようにしましょう。まずは自分自身に対する責任を認識し。それからコミュニティに信頼と責任の苗を 植えましょう。その上で、主の前に立つ日のために、私たち全員が全身全霊の努力をしましょう

[1] Ma’idah, 5/105.

[2] Najm, 53/32.

[3] Abu Dawud, General Behavior (Kitab Al-Adab), 60.

[4] Baqarah, 2/44.