بِسْمِ اللّهِ الرَّحْمَنِ الرَّحِيمِ
الَّذِي خَلَقَ الْمَوْتَ وَالْحَيَاةَ لِيَبْلُوَكُمْ أَيُّكُمْ أَحْسَنُ عَمَلًا وَهُوَ الْعَزِيزُ الْغَفُورُ

兄弟、姉妹の皆様!

神のみ使い(彼の上に平安あれ)と、その年若い教友ムアーズが、共に旅をしていたときのことです。祝福されし預言者が、大きな声で「ムアーズ!」と呼び、これを三回、繰り返されました。そして呼ばれるたびにムアーズは、忠誠心と愛情、そして心からの尊敬と共に、「神のみ使いよ、何なりと仰せのままに!」と応えました。その後で私たちの預言者は、不思議そうに彼に聞き入っている教友に、こうお尋ねになりました。「あなたは、神がどのような権利をご自分のしもべに対して持っておられるかを知っていますか。」ムアーズは答えました。「神と、神のみ使いが最も良くご存知です。」すると預言者はこう仰せになりました。「本当に、神がご自分のしもべに対して持っておられる権利とは、しもべたちを神に仕えさせること、そして何ものをも神と同等としないことです。」

しばらくしてから、私たちの預言者はこうお尋ねになりました。あなたは、しもべたちが神に対してどのような権利を持っているかを知っていますか。」それから彼は、以下の吉報をお伝えになりました。「神に仕え、何ものをも神と同等とはしないしもべたちを、神は苦しめたまわず、楽園に入れたまうでしょう。」

兄弟、姉妹の皆様!                                                        

あらゆる生命をお造りになった私たちの主は、その優しさ、寛大さにおいて比べるものなき御方であります。主によって私たちに授けられる天の恵みは数えきれるものではありません。今、私たちが息をしている空気に始まり、飲み水、食べもの、そして私たちが過ごしているこの時間にいたるまで、すべては主から私たちに下された恩寵であります。私たちの意識、心、愛情、慈悲、そして私たちから他の誰かへ注ぐ好意も、すべてが主から私たちへの慈しみなのであります。だとしたら私たちは、私たちに人生や家族、子供たちや数えきれないほどの祝福、すなわち私たちの存在そのものを授けて下さる神に対し、感謝し尽くせるものではありません。こうしたありとあらゆる主による祝福を無視して、人間としての責任を怠り、目的なき人生を歩むことが、果たして人間にふさわしいと言えるでしょうか?

Friday Prayer - Jumuah Khutba 「Those Who Forgot Allah Will Be Forgotten」
Friday Prayer – Jumuah Khutba 「Purpose of Life」

親愛なる兄弟、姉妹の皆様!

今日(こんにち)、イスラーム世界の一部の地域を含め、ほぼ世界じゅうにおいて、平和と静寂、慈悲と愛情、安全と平穏(へいおん)が切に望まれています。これらすべてのすばらしい価値は、いつ・いかなる時代をも超越して、クルアーンの永遠の真実と、私たちの預言者(彼の上に平安あれ)の中にこそ、いつ・いかなる時代においても見出されるものであるということを、決して忘れてはなりません。私たちがなすべきことは、信仰者としての自らの生き方を、これらの美しい特質をもって表し、人類という家族に対して、賢明なあり方でそれらを示すことであります。

兄弟、姉妹の皆様!

私たちの全能の主は、生と死をお造りになりましたが、それは私たちのうち、誰の行ないが優れているのかを試みるためである、と仰せられておられます。だとしたら、この短い試験の現世における私たちの務めとは、神への感謝を唱える舌を持ち、愛情に満ちた心を持ち、主の道を歩んで人生を過ごしてゆくことであります。このかりそめの現世を生きる間も、心の中では、私たちの真の故郷である来世について、常に忘れずにいることが、私たちの務めであります。私たちの全能の主は、信仰し、主の他には何ものにも仕えないでいる限り、たとえどれほどささやかであろうと、主の恩寵を得るために払われた努力を、決してないがしろにはなさいません。そのような希望を抱いて生きてゆくことが、私たちの務めであります。「わたしの礼拝と奉仕、わたしの生と死は、万有の主、神のためである。」私たちが主と共にある限り、主は私たちと共にあります。

兄弟、姉妹の皆様!

もう一度、共に自らの人生の目的を見つめ直しましょう。私たちの、存在の目的に沿って人生を歩みましょう。私たちの主の御許(みもと)へ、名誉と共に帰りゆけるよう努力しましょう。そのための希望を、いつでも忘れずにいましょう。そうすれば、この世を後にする時に、私たちは以下の、聖なる御言葉(みことば)を耳にすることでしょう。「おお、安心、大悟している魂よ、あなたの主に返れ、歓喜し御満悦にあずかって。あなたは、わがしもべの中に入れ。あなたは、わが楽園に入れ。」

[1] Bukhari, Cihâd, 46; Muslim, Îmân, 48.

[2] Al-Mulk, 67/2.

[3] Al-An’am, 6/162.

[4] Al-Fajr, 89/27-30