親愛なるムスリムの皆様。
崇高なるアッラーの限りのない恵みの一つが、そのあらゆる美と精神的・物質的な恵みの観点から、聖なるラマダーン月といえます。ラマダーンは崇拝行為と慈悲と許しの月です。豊かな恵みと多くの善行に満ちた月です。この月は、相互扶助と許しと恵みの月です。一年間の心身両面における穢れを清めます。人間的な感情が高められ、過ちや罪を悔悟し、真実へと向かおうとする気持ち、すなわち精神力が鍛えられ、肉体的な意味においても鍛錬の月です。人々を道徳的な逸脱や無知であることから救い、科学や文化、文学、そして美徳へと導くクルアーンは、この月に預言者ムハンマド(彼の上に平安あれ)へと下され始めたのです。千の月よりもなお尊い「ライラトゥルカドル(みいつの夜)」はこの月にあります。

この月の徳について崇高なるアッラーは次のようにおおせられています。「ラマダーンの月こそは、人類の導きとして、また導きと(正邪の)識別の明証としてクルアーンが下された月である。それであなたがたの中、この月(家に)いる者は、この月中、斎戒しなければならない」(雌牛章第185節)
預言者ムハンマド(彼の上に平安あれ)は、ある年のラマダーン月を前にして、その月の徳についてホトバの中で次のようにおおせられています。
「人々よ!偉大でかつ祝福されたこの月の影が少しずつあなた方の上にも届きつつあります。この月には、千の月よりもなお尊い『みいつの夜』があります。この月にアッラーは、日中斎戒を行うことを義務とされました。そして私は、この月の夜にタラウィーの礼拝を行うことをあなた方にスンナとしました。この月に自らの意志で善行を施す者は、他の月に一つの義務を実行したのと同じほどの報奨を得ます。この月に義務であることを実行する者は、他の月に70の義務を行ったほどの報奨を得ます。ラマダーン月は忍耐の月であり、忍耐と助け合いの見返りは天国です。ラマダーン月は恵みの月であり、信者の糧が増やされる月です。この月に誰かが、断食を行っている人にイフタール(断食明けの食事)を施せば、それによって罪が許され、地獄から救われ、そして断食を行なった人の報奨からも分け前を得ることができます。断食を行った人の報奨からは何も減らされることはありません」
親愛なるムスリムの皆様。
ラマダーン月はクルアーンが啓示された月であることからも神聖な月です。クルアーンは信者たちを真実へと導く道案内です。ですからこの月にはクルアーンをよく読み、よく理解し、それを実践するようにしましょう。
ラマダーン月は忍耐と感謝の月です。断食によって、自らの欲望を抑え、忍耐心を涵養し、かつ、アッラーが与えてくださった恵みに対し感謝する月なのです。断食は、アッラーに対し私たちがしもべであることを再認識し、そして与えられた恵みに対し感謝の念を表明する最良の機会なのです。さらに断食は個人個人の肉体的・精神的健康や社会生活においても数え切れないほどの効果をもたらす重要な崇拝行為なのです。
最後に、ラマダーン月は気前のよさと助け合いの月です。預言者ムハンマド(彼の上に平安あれ)の気前のよさが一段と増した月です。ムスリムとしてこの神聖なる月に、イスラームの五つの義務の一つである断食の務めを果たすため、肉体的にも精神的にも十分に準備をしておきましょう。ラマダーン月を平和と幸福と愛に満ち月となるすよう努めましょう。