وَلاَ تَحْسَبَنَّ اللّهَ غَافِلاً عَمَّا يَعْمَلُ الظَّالِمُونَ إِنَّمَا يُؤَخِّرُهُمْ لِيَوْمٍ تَشْخَصُ فِيهِ الأَبْصَارُ صدق الله العظيم

尊敬すべき信仰者の皆様、ジュムア・ムバーラク!

クルアーンの、以下の節において、全能の主はこのように述べておられます。「悪事をはたらく者を,アッラーが見過ごしにされるとは決して考えてはならない。かれは(恐れのために)思わず目を見開いてしまうその日まで、彼らを猶予(ゆうよ)しておられるだけである」。

また、以下のハディースを通して、私たちの預言者(彼の上に祝福と平安あれ)は、このように語っています。「抑圧されている者の呪詛(じゅそ)を恐れなさい。彼らの呼び声は、アッラーへとじかに届くのですから」。

兄弟、姉妹の皆様!

アル・クドゥスは、人類にとり共通の古(いにしえ)の都(みやこ)であります。祝福された、聖なる至上の町であり、敬意をもって扱われるべき不可侵(ふかしん)の場所であります。その名誉を傷つけ、その安全を損(そこ)ねることは禁じられています。この神聖な町、ムスリムにとり、最初のキブラでもあった町は、過去に多くの預言者たちが住んでいた場所でもあります。アル・クドゥスの地には、いたるところに多くの預言者たちの、愛すべき思い出が残されています。

マスジド・アル・アクサーは、世界で最も古く、また最も貴重なマスジドのひとつであり、アル・ハラーム・アル・シャリーフ(神殿の丘)

でもあります。私たちの預言者は、この高貴なマスジドに迎えられ、ここからミゥラージュに旅立ったのであります。

親愛なる兄弟、姉妹の皆様!

アル・クドゥスは、イスラームの歴史を通して、しっかりと信仰に根ざすこと、果敢に立ち向かうこと、そして聖なるものへの愛情を忠実に守り抜くことを象徴してきました。マッカとマディーナが、ムスリムにとっての魂であり愛であるのとちょうど同じように、アル・クドゥスは、私たちの体内を流れる血そのものであります。アル・クドゥスは、ウンマにおける「結束の構築」において、重要な役割を果たしています。

アル・クドゥスは特別な地であります。アル・クドゥスとマスジド・アル・アクサーは、私たちの預言者から、私たちに託されたものであります。アル・クドゥスは、単にパレスティナとその近郊に住まう人々に限らず、世界じゅうの、すべてのムスリムにとり非常に大切な場所であり、人類共通の価値ある財産であります。しかしながら今日(こんにち)、アル・クドゥスは、ムスリムと全人類の良心と法、そして道徳に課されたひとつの試練となっています。

Friday Prayer - Jumuah Khutba 「Those Who Forgot Allah Will Be Forgotten」
Friday Prayer – Jumuah Khutba 「Al-Quds: Our Never-Ceasing Pain」

親愛なる兄弟、姉妹の皆様!

歴史を通して、「平安と静謐(せいひつ)の家」を意味する「ダール・アッサラーム」の名で呼ばれてきたアル・クドゥスが、今日(こんにち)、野蛮な侵略に直面しています。アル・クドゥスとその周辺に住まう人々は、抑圧と暴力にさらされ、非人道的な行為の対象となっています。ガザでは無数の、無実の人々が、心の中にある信仰と勇気の他には何ひとつ持たないまま、世界じゅうの人々の目の前で、残虐に殺害され続けています。預言者たちの地で、銃声は鳴り止まず、血と涙と苦難があふれ続けているのです。

アル・クドゥスが私たち一人ひとりに課している試練とは、こうした残虐な行為を黙認しないことであります。世界のどこにいようとも、またそれが誰に対してであっても、抑圧や不公正には決して屈してはなりません。人々が人生と信仰の自由を、非人道的に奪われているときに、沈黙していてはなりません。啓示の祝福を授けられた町のアザーンを、消し去ることがあってはなりません。

尊敬すべき信仰者の皆様!

私たちの兄弟や姉妹の上に、ムスリム世界の上に、そしてすべての無実の人々の上に襲いかかる災難と迫害、そして苦しみから、私たちは学びを得なくてはなりません。ウンマの意識をもって、信仰を同じくする者どうしの同胞愛を強めましょう。困難を乗り越える方法を、共に探し求めましょう。私たちの団結と調和を脅(おびや)かし、私たちの強さを奪い去るような、不和の種をまきちらすふるまいに隙(すき)を与えないようにしましょう。抑圧する者の前であっても、常に真実を語ることを避(さ)けないようにしましょう。心も体も、私たちが持っているもののすべてと共に、常に慈悲の側に立っていましょう。信仰と正義を貫(つらぬ)くためにも、いつもアル・クドゥスについて、意識するよう心にとどめておきましょう。

[i] Ibrahim, 14/42.

[ii] Bukhari, Zakat, 63; Muslim, Iman (Faith), 29