الَّذِينَ يُنفِقُونَ فِي السَّرَّاء وَالضَّرَّاء وَالْكَاظِمِينَ الْغَيْظَ وَالْعَافِينَ عَنِ النَّاسِ وَاللّهُ يُحِبُّ الْمُحْسِنِينَ ﴿١٣٤﴾صدق الله العظيم

兄弟、姉妹の皆様!

私たちの全能の主は、神聖なる書において以下の通り告げておられます。 「順境においてもまた逆境にあっても、(主の贈物を施しに)使う者、怒りを押えて人びとに寛容にする者 」。(イムラーン家章134)そして主は、自らの怒りを抑え ることも、敬虔な信者の特徴のひとつであると断言しておられます。

ある日私たちの預言者(彼に平安と祝福あれ)は教友たちにこうお尋ねになりまし た。「あなた方は、どのような人を闘う人呼びますか」。教友たちは答えました。「格闘技で誰かと闘う者です」。すると私たちの預言者はこう述べられました。「いいえ。腕力で誰かを倒す者のことではあり ません。本当の闘士とは、怒っている時にも自制心を働かせることのできる者のことです」。 このように慈悲の預言者は、私たちの心に残るようにと、分かりやすく意義の深いメッセージを届け て下さいました。預言者は私たちに、怒りに屈してしまえば、多くの後悔、涙、そして自責の念が引き起こされる ことになるだろうと警告して下さいました。怒りを抑えることについて教友たちを諭す一方で、私たちの師は、私たち一人ひとりに対しても、欠かすことのできない助言を下さっているのです。かつてある人が預言者の許へやってきてこう尋ねたことがあります。「神のみ使いよ!何かひとつ、簡潔な助言を下さい」。彼はお答えになりま した。「怒らないようにしなさい」。

尊敬すべき信仰者の皆様!

私たちの神聖なる書において全能の神は、怒りを退けることについて、預言者の生涯における一場面を通して 私たちに知らしめたまいます。そうした預言者のお一人にムーサー(彼に平安あれ)がいます。彼が不在の間、兄のハールーンは民が道を踏み外すのを防ぐことができませんでした。その有り様に憤慨したムーサーは兄の体に掴みかかり、怒りにまかせて揺さぶりました。最終的には、ムーサ―は兄の忠告を聞き入れて主の庇護の下に逃れ、祈りました。「主よ、わたしとわたしの兄を赦し、あなたの慈悲に浴させて下さい。本当にあなたは、慈悲深い者の 中でも最も慈悲深い方です 」。(高壁章151)

ユーヌス(彼に平安あれ)は、唯一の神への服従と奉仕に自らの民を招きました。しかし人々は、彼を拒絶しました。それに対して預言者ユーヌスは、怒って自らの民を見捨てました。しかし彼の怒りは、彼自身に対する試練となりました。彼は魚の腹の中、暗闇に行き着くこととなったのです。彼は今一度、忍耐と冷静さの意 味について学び直しました。そして悔悟すると共に、神の下へ逃れ、こう言いました。「あなたの外に神はありま せん。あなたの栄光を讃えます。本当にわたしは不義な者でした」。(預言者章 87)

親愛なる兄弟、姉妹の皆様!

万有の主は、人類の道を光で照らす預言者たちのこうした先例をもって、私たちに教えたまいます。預言者たちでさえ、時には怒りにかられます。けれど彼らは神の庇護の許へ逃れることによって怒りを乗り越えたのだ ということを、主は私たちに教えて下さっているのです。私たちの預言者(彼に祈りと平安あれ)も、怒りを おぼえたなら神の庇護の下に逃れ、善行に励み罪の清算の日を思い出すよう私たちに助言しておられます。彼は私 たちに、自分の舌を不快な言葉や不遜な言葉、そして復讐のために用いるのではなく、祈りの言葉や静寂さと幸 福のために用いるよう求めておられるのです。

Friday Prayer - Jumuah Khutba 「Those Who Forgot Allah Will Be Forgotten」
Friday Prayer – Jumuah Khutba 「Keeping Your Temper」

兄弟、姉妹の皆様!

私たちは今ストレスの時代を生きています。日常生活において、時として憤慨させられるよう な出来事に出会うこともあります。しかし、たとえ怒って当然の状況だとしても、その先に何があるのかを忘れてはいけません。私たちにとって、人生は試練であるという事実を常に意識していなくてはなりません。何を聞いても、何を経験しても、すべて良心のフィルターを通してから受け止めるべきです。私たちは信仰者として、 いつでも優しく、思いやり深く、寛大で忍耐強くありましょう。怒りに囚われ、憎しみや敵意といった感情で 自らの心を曇らせることのないようにしましょう。「寛容の剣は、怒りの剣よりも鋭い」というマウラーナの 言葉を、私たちの合言葉としましょう。 私たちの全能の主が、私たちを我慢強く、怒りを克服し、自分が正しいときでさえも、自らの怒りに屈するこ となく他者を許す敬虔なしもべとして下さいますように!

[i] Ali ‘Imran, 3/134.

[ii] Muslim, Birr, 106; Also see Bukhari, Edeb, 76.

[iii] Bukhari, Edeb, 76.

[iv] Al-A’raf, 7/151.

[v] Al-Anbya, 21/86-88; Also see As-Saffat, 37/139-148.

[vi] Bukhari, Edeb, 44.