東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「イスラーム:平和と恩恵の宗教」

「イスラーム:平和と恩恵の宗教」

無から私たちを創造し、その存在を明らかにし、安らぎと健やかさの宗教であるイスラームをもって私たちを祝福し、ジュムアの精神に満たされたこのマスジドに私たちを集わせた全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)に、限りない賞賛がありますように。
アーダムからイブラーヒーム、ムーサーからイーサー、そして慈悲としてこの世に遣わされた最愛の預言者ムハンマドﷺにいたるまで、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)のすべての預言者に平安と祝福がありますように。
アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)の平安と慈悲、祝福と恩情、そして恵みがありますように。祝福された金曜日であるよう祈ります。

親愛なる信仰者の皆様!
全能のアッラーは告げておられます。「信じる者たちよ。あなたがたは一途に平安に入りなさい。悪魔の足取りをたどってはならない。本当に彼は、あなたがたにとり公然の敵。」
アッラーの使徒ﷺは、ハディースを通して次のように語っています。「慈悲深い者には、アル=ラフマーンの慈悲が示される。地上では慈悲深くありなさい。そうすれば天上の御方が慈悲を示してくださるだろう。」

親愛なる同胞の皆様!
私たちの崇高な宗教であるイスラームは、正義と慈愛の宗教です。平和と信頼の宗教であり、知恵と知識、理解と文明の宗教です。
لِتُخْرِجَ النَّاسَ مِنَ الظُّلُمَاتِ اِلَى النُّورِ (「[これは、]われらがあなた[ムハンマド]に下した啓典。人々を暗闇から光へ連れ出すために。……」)と、章句にもある通り、イスラームは人々を暗闇から光へ導き、善良さへと連れてゆくまっすぐな道です。イスラームは、現世と来世における救いを伝える祝福された招待状です。イスラームは、魂が求めるあらゆる静けさをもたらし、またあらゆる心が望む幸福をもたらす宗教なのです。

尊敬すべきムスリムの皆様!
「アッ=サラーム」は、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)のもっとも美しいお名前のひとつです。ムスリムとは、現世においてアッラーのお名前である「アッ=サラーム」を表す者のことです。善意をもたらし、常に平和の側に立ち、周囲との信頼を育み、世界の平安に貢献する者のことです。最愛の預言者ﷺが語っている通り、「ムスリムとは、誰にとってもその舌(言葉)と手(行為)が安全な者のことであり、信仰者とは、誰の生命や財産にとっても安全な者のこと」です。

親愛なる同胞の皆様!
私たちの貴い宗教であるイスラームにおいては、生まれや人種、宗教の違いに関わらずすべての人間の生命、精神、信仰、財産、子々孫々に対する侵害は許されません。
最愛の預言者ﷺは、世界に向けてイスラームの普遍の原則を宣言した別れの説教の中で、次のように説いています。「全人類はアーダムとハウワーの末裔です。アラブが非アラブに、あるいは非アラブがアラブにまさるなどということも、白い者が黒い者に、あるいは黒い者が白い者にまさるなどということもありません。あるのはただ篤信と善行のみです。」篤信には、善良な道徳、責任感、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)の命令に対する心からの献身といった特徴がみられるでしょう。私たちの宗教は、自分の住まう社会にいるすべての人々と、善良さと公正さに基づく関係を築くよう求めています。それは私たちが、調和と安全の中に暮らすことを意味します。

尊敬すべき同胞の皆様!
今日、ムスリムとしての私たちの義務とは、平和と善とをすすめるために、あらゆる手立てを尽くすことです。どこへ行こうと、信頼と平和の発展のために貢献することです。それは誰かの身体的・精神的な幸福を脅かす悪に立ち向かうことです。

イスラームの命じることを尊重し、その導きに従うことが私たちの義務です。私たちの人生をイスラームの偉大な原則で満たし、もっともすぐれた形でイスラームを体現することです。人々の多くが、私たちの言動を通してイスラームのことを判断し、距離を置くか、近づくかすることを忘れてはなりません。その上で、私たちの良い言葉や行動を通してイスラームに出会う方が、より好ましいことも忘れないでください。

ホトバをしめくくるにあたり、私たちのなすべきことをよりやさしくし、成功へと導いてくださるよう全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)に願います。

また、132年前の今日に起こった悲しむべきエルトゥールル号の海難事故により命を落とした殉職者に、また私たちの故国のために命を捧げたすべての殉職者と退役者にアッラーの慈悲があるよう祈ります。


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とうきょう ジャーミイ きんようれいはい の ホトバ(ひらがな と カタカナ PDF)