東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「篤信、ハヤー*、ヒジャーブ」

Friday Khutba

「篤信、ハヤー*、ヒジャーブ」 *ハヤー:信仰からくる謙虚さや羞恥心

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)は私たちに、クルアーンを通して次のように呼びかけておられます。「アーダムの子らよ。われらは、すでにあなたがたの隠しどころを覆うもの、また装うものとしての衣を下した。……」1
この章句は、私たちの衣服に関する必要を満たす祝福は全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)から私たちに授けられたものであり、私たちはそのことに感謝すべきであると教えています。また同時に、この章句は私たちに、衣服とは美しさと上品さであることも教えています。この章句の続きは次の通りです。「……しかし篤信こそ、衣としてもっとも良いもの。アッラーの御しるしとはこのようなもの。彼らも、憶えておくようになるだろう。」2

親愛なる信仰者の皆様!
篤信の衣とは信仰と良識です。篤信の衣とは体を覆う衣服の持つ意味をしっかりと理解することです。心身に害を及ぼすような過ちを避け、善良な人生を送るという意識のことです。

親愛なるムスリムの皆様!
ハヤーとは、見苦しい行いを敬遠し、罪を犯すことを恥ずかしく思う感覚のことです。ハヤーはイスラームの道徳の本質であり、最初の預言者の教え以来、すべての人類に対する道徳への呼びかけです。イスラームにおいて、衣服に込められた最大の知恵のひとつは、それが人々とアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)の両方に対するハヤーの条件であるということです。そのため、私たちの預言者ﷺは次のように語っています。「アッラーは慎み深く覆い隠す。アッラーは慎み深さと、慎み深い衣装を愛する。」3

親愛なる信仰者の皆様!
ヒジャーブとは、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)と預言者ﷺが指し示す方へ向かって生きる決意の表れです。「ヒジャーブ」と言ったとき、それは男女の両方に共通して求められる理念であり、高い美徳のことを指します。衣服やそのほかの形で覆い隠すことは女性のみに限定されているとか、あるいは単純に頭にスカーフをかぶることであると考えるのは大きな誤解です。衣服も、覆い隠すことも人間としての原理であり、プライバシー尊重の表れだからです。

親愛なる信仰者の皆様!
クルアーンには次のように記されています。 「信仰者の男に、視線を自制して隠しどころを守るよう言いなさい。その方が、彼らにとり清らかである。そしてアッラーは、彼らの行うところを熟知している。」4 続けて、次のように告げています。「また信仰者の女に、視線を自制して隠しどころを守るよう言いなさい。外側にあらわれるものの他は、その身の飾りを誇示してはならない。頭布を胸元にかぶせなさい。……」5 このふたつの命令が並んで告げられているという事実が、男性にも女性にも、謙虚に自らの体を覆い隠す義務のあることを示しています。自由な意志に基づいて、慎み深く、礼儀正しく、尊厳のある生活を選べるなら、それはこの上なく幸福な人です。アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)に仕えることを意識して人生を送り、現世と来世の両方で益を得られるなら、それはこの上なく幸福な人です。

[1] A’raf, 7/26.
[2] A’raf, 7/26.
[3] Nasa’i, Ghusl, 7.
[4] Nur, 24/30-31.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「篤信、ハヤー*、ヒジャーブ」
とうきょうジャーミイ きんようれいはいのホトバ(ひらがなとかたかな PDF)