東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「隣人の権利」

「隣人の権利」

親愛なる信仰者の皆様!
アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)は私たちを、生まれてから死ぬまで、人々に交じって生きていくよう創造なさいました。この人生の中で私たちは、時には困難にみまわれることも、また時には悲しみを乗り越えてゆかねばならないこともあります。また時には良いことに恵まれて、喜びに満ちたりもします。そのようなとき、私たちは身の回りの人たちと気持ちを分かち合いたくなります。両親や配偶、子どもたち、親戚や親類と同じように、隣人にも共にいてほしいと思うものです。

隣人とは、単に距離が近しいというだけではありません。隣人とは、壁1枚を隔てた存在という意味ではなく、心でつながっていることを意味します。良い隣人を欲しがる前に、自分が良い隣人であれという意味です。敬意を持ち、分かち合い、人のためになることをし、繊細であれという意味です。隣人を虐げたり、隣人の名誉や尊厳、貞節について悪く言ったりしないことです。あるハディースの中で、預言者ﷺは次のように語っています。「誰であれアッラーと終末の日を信じる者は、隣人を傷つけたり、困らせたりしてはならない。」1

親愛なるムスリムの皆様!
残念なことに世俗的、個人主義的、そして利己的であることがますます重要になっていく中で、近所づきあいは日に日に弱まっています。しかし、アッラーの使徒ﷺの警告は非常に明快です。「あなたの隣人に対して親切にしなさい。そうすれば、あなたは信仰者になるだろう。」2

親愛なる信仰者の皆様!
隣人の権利について尋ねられた預言者ﷺは、次のように答えました。「病気になったら、見舞いに行きなさい。亡くなったら、葬儀に赴きなさい。貸してくれと頼まれたら、貸してやりなさい。助けを求められたら、助けてやりなさい。良いことがあったなら、妬むのではなく喜びなさい。悪いことがあったなら、共に悲しみなさい。」3 ですから、自分の隣人に対する責任がいかに大きいかを知りましょう。隣人の権利を守り、支えましょう。互いに心を開いて、愛情と誠意を分かち合いましょう。「アッサラーム・アライクム」と言わずにすれ違うことのないようにしましょう。隣人関係を損なう恐れのあるあらゆる不適切な言動を避けましょう。辛抱づよく、寛容でありましょう。「アッラーの御許においてもっともすぐれた隣人とは、自分の隣人に対してもっともすぐれた者である」4 ということを忘れないようにしましょう。

[1] Bukhari, Riqaq, 23.
[2] Tirmizî, Zühd, 2.
[3] Tabarani, Mu’jam al-Kabir, XIX, 419.
[4] Tirmidhi, Birr, 28.


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とうきょうジャーミイ きんようれいはいのホトバ(ひらがなとかたかな PDF)