東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「人事を尽くして天命を待つ」

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「人事を尽くして天命を待つ」

尊敬すべきムスリムの皆様!
もっとも小さな素粒子から、広大な宇宙にいたるまで、唯一、絶対の支配者である全能の主(スブハーナワタアーラー)は、調和と秩序をもってすべてを創造されました。創造におけるこの驚くべき調和は、「スンナトゥッラー」すなわちアッラーの法と規則とに一致しています。私たちに課されているのはこの神の秩序と法則に従い、宇宙に存在する因果関係に沿って行動することです。

親愛なる信仰者の皆様!
原因という輪の中で起こる物事のひとつに、自然災害があります。地震などの災害を防ぐことは、当然ながら不可能です。しかし、理性、科学、経験に照らして災害に備え、被害を少なくすることは、私たちの第一の義務です。これはまた、イスラームが絶対的な服従(タワックル)という考え方をもって命じていることでもあります。私たちの宗教は、はじめから予防のためにできることはすべて行い、果たすべき責任はすべて果たしておくよう命じています。その上でアッラー(スブハーナワタアーラー)に信頼を置き、委ね、服従するよう求めています。

予防のためにできることはすべて行ったにもかかわらず、それでもつらい出来事が起こったなら、辛抱強く、我慢強く、アッラーの命ずるところを受け入れなくてはなりません。常識をもって自分が経験している状態を見定め、油断や失敗、過ちから、必要な教訓を得なくてはなりません。全能のアッラースブハーナワタアーラーにこい願い、悔い改め、赦しを求めて祈り、懇願や請願を通してアッラーの加護を求め、その慈悲と助けを求めるべきでしょう。

親愛なる信仰者の皆様!
貴いクルアーンには次のようにあります。 「人々がその手で得てきたことのために、陸にも海にも退廃があらわになっている。これはかの御方が、彼らにその行ってきたことの一部を味わわせることで、彼らを[正しい行いに]戻らせようとしてのこと。」1 まったくその通りで、災害がもたらす悲惨な出来事のいくつかは、私たち自身の過ちや怠慢によるものです。ですから意識的に、用心深く災害に備えましょう。愛すべき預言者(彼の上に祝福と平安あれ)の、「アッラーは、自分の仕事を完璧なやり方でなそうとする者にお喜びになる」2 というハディースを、私たちの導きとしましょう。

[1] Rum, 30/41.
[2] Tabarani, Mu’jam al-Avsat, 1/275


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「人事を尽くして天命を待つ」(PDF)
とうきょうジャーミイ きんようれいはいのホトバ(ひらがなとかたかな PDF)