東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「男性と女性:敬意に値する尊厳ある存在」

「男性と女性:敬意に値する尊厳ある存在」

親愛なるムスリムの皆様!
私たちの全能の主(スブハーナ ワ タアーラー)は、次のように告げておられます。「人々よ。本当にわれらはあなたがたを男と女とに創造し[た]……」1
また、ハディースを通して、愛すべき預言者ﷺはこう語っています。「あなたがたのうちもっともすぐれた人とは、家族に対してもっとも良くしている人である。……」2

親愛なるムスリムの皆様!
私たちの崇高な宗教であるイスラームの目的のひとつは、愛と尊敬、誠実さと信頼に基づいた家族としての強い結びつきを築くことです。これと関連して、イスラームは家族の一人ひとりに個人としての責任を課しています。
夫婦のお互いに対する責任とは、結婚を闘争にしてしまうことではなく、お互いをアッラーからの預かりものとしてみなすことです。富めるときも貧しいときも、良いときも悪いときも、お互いに支え合うことです。両親の責任とは、自分の子どもたちに故郷の価値観や精神的な価値観を伝えることです。子どもたちのために時間を割き、愛情を示し、安全で平和な家庭環境を整えてあげることです。子どもたちの責任とは、良心の権利を尊重することです。両親にはていねいな言葉で話し、やさしくすることです。両親を喜ばせるためにも、決して舌打ちなどしないことです。

親愛なる信仰者の皆様!
私たちの全能の主(スブハーナ ワ タアーラー)は、私たちを男性と女性とに創造なさいました。女性は女性として、また男性は男性として、あらゆる尊敬に値する尊厳ある存在です。もっとも名誉ある存在として全能の主(スブハーナ ワ タアーラー)が創造なさった人間としての純粋な本質の破壊を目的とした、逸脱した取り組みは、神の意志を無視する形で人間の創造を妨げることになります。性別の決定は個人の自由の範疇にありません。人間の本質の破壊を目的とした行為を、自由という聞こえのいい言葉で正当化することはできません。私たちの宗教における男女観とは相容れない不適切な理解や嗜好は、家族のあり方に混乱を及ぼし、人類の一世代を崩壊させ、社会に惨事をもたらします。

親愛なるムスリムの皆様!
地上の楽園である家族の大切さを知りましょう。家族のあり方を脅かすあらゆる種類の有害な流行に対して警戒しましょう。他のあらゆることと同じように、家庭生活に関しても宗教が命じる原則を誠実に守るようにしましょう。親切とやさしさ、思いやりと愛情、慎みと謙虚さが家族に行き届くよう努めましょう。
本日の金曜礼拝のホトバを、聖なるクルアーンにある次の祈りをもって終わります。「主よ、私たちの配偶と子孫の中から、目にも涼やかな[喜ばしい]ものを授けてください。私たちを、畏れる者の先導者としてください。」3

[1] Hujurat, 49/13.
[2] Tirmidhi, Manaqib, 63.
[3] Furqan, 25/74.


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とうきょうジャーミイ きんようれいはい の ホトバ(ひらがな と カタカナ)(PDF)