東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「弱さ:団結と連帯の大きな壁」
親愛なるムスリムの皆様!
あるハディースの中で、預言者(saw)は教友たちに次のように語っています。「食事を分かち合うために人を招くように、人はあなたがたを攻撃するために互いを呼び集めるだろう。」教友のひとりが、「それは、私たちが数少ないからでしょうか」と尋ねると、アッラーの使徒(saw)は、
بَلْ أَنْتُمْ يَوْمَئِذٍ كَثِيرٌ، وَلَكِنَّكُمْ غُثَاءٌ كَغُثَاءِ السَّيْلِ「いいえ、そのときのあなたがたは数多くなっているでしょう。しかし水の流れに運ばれるちり芥のようでしょう」と答えました。さらに、「アッラーはあなた方の敵の胸からあなた方に対する恐れを取り除き、あなた方の心に最後のワフンをもたらすだろう」と続けました。教友が 「アッラーの使徒よ、ワフンとは何ですか」と尋ねると、預言者(saw)は حُبُّ الدُّنْيَا وَكَرَاهِيَةُ الْمَوْتِ 「現世への愛と死への嫌悪である」1 と答えました。
親愛なる信仰者の皆様!
預言者(saw)はこのハディースを通して、ムスリムは団結と連帯を受け入れることで、自分たちを守ることができるということを思い出させてくれています。ウンマの意識を持って行動することで、高潔で徳の高い姿勢を保つことができ、心と鼓動をひとつにすることによって尊厳を保つことができるのです。扇動や腐敗、衝突を起こさないようにすれば、同胞の絆を深めることができるでしょう。しかし創造の目的や、死と清算、天国と地獄のことを忘れ、世俗にかまけすぎていると、ムスリムは力を失って弱くなります。アッラー(swt)とその使徒(saw)への愛ではなく、富や世俗の所有物、地位や身分、幸運や名声への愛を心に抱いてしまうと、風に舞う木の葉のように散り散りになってしまいます。アッラー(swt)の御言葉を広めるよりも、個人的な利益や贅沢、快適さを優先すると、分裂して崩壊する危険があります。
親愛なるムスリムの皆様!
私たちは時々、世俗の関心事に気を取られ、生きる力を与えるイスラームの原則を忘れてしまいます。主(swt)、環境、人びとに対する責任を忘れ、現世に没頭してしまうのです。アッラー(swt)への奉仕を忘れ、自分の人生から人間としての価値や道徳の価値を取り除いてしまうのです。全能のアッラーは、次の章句をもって警告しておられます。「あなたがたは現世の品々を欲する、しかしアッラーは[あなたがたのために]来世を欲する。」2 そして、来世にある永遠の住まいを忘れることなく生きていくよう勧めれおられます。私たちの崇高な宗教であるイスラームによれば、現世はつかの間の幻に過ぎず、来世に比べれば遊びやたわむれに過ぎません。これは、現世とその祝福が悪であるとか、価値がない、または取るに足らないという意味ではありません。悪いのは、アッラーとそのご満悦から人を遠ざけてしまう点です。現世は来世の耕作地であることを忘れないようにしましょう。現世は天国に値する場所であり、アッラーへの従順さが試される場所であり、善行を競い合う場所です。私たちの宗教が求めているのは、現世のために来世を放棄することではなく、来世のために現世を放棄することでもありません。
本日のホトバを、全能のアッラーがアル=カサスで告げた次の章句をもって終わります。「アッラーがあなたに与えたものによって、来世の館を求めなさい。また現世の、あなたに割り当てられている分のことも忘れてはならない。」3
[1] Abu Dawud, Malahim, 5; Ibn Hanbal, V, 278.
[2] Anfal, 8/67.
[3] Qasas, 28/77.
Prayer | Time |
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Fajr | 04:23 |
Sunrise | 05:47 |
Dhuhr | 11:27 |
Asr | 14:39 |
Maghrib | 17:05 |
Isha | 18:25 |