東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「真実の道を歩み、不安から自分を守りましょう」

Friday Khutba

親愛なる信仰者の皆様!
教友のひとりが、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)のところへやって来て言いました。「アッラーの使徒よ。イスラムについて何かひとこと、私に助言をください。そうすれば私は、誰かにそのことを尋ねる必要もなくなることでしょう」。すると、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は次のように答えました。「『私はアッラーを信じる』と言い、あとはしっかりとしていなさい」。[1]
 
親愛なる信仰者の皆様!
アッラーに仕えることこそ、人間が生きる理由であり、また人間にとってもっとも大切な義務とは、アッラーがおられること、アッラーが唯一であることを信じ、またそうしたイーマーン(信仰)の求めるところに従って、しっかりとした人生を歩んでいくことであります。
ひとたび、心にしみ込んだイーマーン(信仰)は、感じ方や考え方、行動を通して表されるようになります。正しい信仰は、誠実で迷いのない人を育て、真理と真実へと導いてくれるものです。これがあって初めて、ムスリムはやすらかで尊厳に満ちた生活を送ることができるようになるのです。現世でも、来世でも、困難や悲しみに対して必要以上に不安になることもありません。こうしてムスリムは、タクワー(篤信の念)と天の祝福に達することができるようになるのです。
 
親愛なる信仰者の皆様!
真実の道を歩むムスリムは、正しさにかけては妥協をしません。自分の言葉を曲げたり、嘘をついたりすることは決してありません。公正さを重んじ、不正に傾くこともありません。常に善意をもってものごとを行い、誠実であろうとつとめ、うわべだけをとりつくろうようなことはしません。自分の仕事に対しては最大限の注意を払い、ごまかすことなく隅々までしっかりとやり遂げます。身の回りに対しては創造主への愛と敬意をもって慈悲と思いやりを示し、どのような生きものも傷つけることはしません。これが、スィラート・アル・ムスタキーム(まっすぐな道)に生きるということです。そのような人は、アッラーに認めていただくことこそ、どのような利益や見返りよりも大きいと考えています。そして隠そうと、隠すまいと、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)がすべてをご覧になり、またすべてを聞いておられること、やがてしもべとして清算の日に呼び出されることを意識した人生を送るのです。

本日のホトバを、私たちの主が告げておられる良い報せをもって終わります。「本当に『私たちの主はアッラーです』と言い、そののちはまっすぐであり続ける者。彼らには恐れもなく、嘆きもないだろう」。 [2]
[1] Ibn Hanbal, III, 413.
[2] Ahqaf, 46/13.


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