東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「ムスリム:正しい行いをし、真実を伝える者として」

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尊敬すべき信仰者の皆様!
全能の主(スブハーナワタアーラー)は、聖クルアーンを通して次のように告げておられます。[衣に]身を潜める者よ、立ち上がり、警告しなさい。あなたの主を讃えなさい」。[i] これらの章句は、イスラムの最初期にメッカで啓示されたものです。預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)に対し、準備を整え、立ち上がり、タウヒードの宗教であるイスラムについて人々に伝えてゆく使命を果たすよう促しています。預言者ムハンマドはこの使命を引き受け、これを立派に果たしました。彼のウンマに引き継がれたこの聖なる義務を、「タブリーグ」といいます。

親愛なるムスリムの皆様!
全能のアッラーは、このタブリーグという義務が、時代や地域にとらわれることなく果たされることを望んでおられます。そのことは、そしてあなたがたは共同体として、[その内側から人々を]良いことに招き、親切を勧め、非道を禁じなさい。これらの者こそ、成就を遂げる者。[ii]という章句を通して告げられている通りです。

親愛なる信仰者の皆様!
タブリーグについては、私たち一人ひとりが責任ある者としての義務を負っています。すべてのムスリムは、まず自分たち自身がイスラムの定めるところを守らなくてはなりません。自分たちが広めようという高い価値観のもとで、自分たち自身の言葉や行動に矛盾のないようつとめなくてはなりません。この点について、私たちの主からの警告は非常にはっきりとしています。「信じる者たちよ。あなたがたは、どうして自分が行わないことを口にするのか。 あなたがたが行わないことを口にするのは、アッラーの御許においてもっとも憎まれること」。[iii]

親愛なるムスリムの皆様!
私たちの主は、こう告げておられます。「…[人々を]アッラーに呼び招き、正しい行いをし、『本当に、私はムスリムのひとりです』と言う者よりも美しく語る者があるだろうか」。[iv]

貴い宗教であるイスラムの揺るぎない真実を語るなら、その言葉のとおりに生き、これらの章句にふさわしい者となるための最大限の努力をしましょう。「物事は簡単にしなさい。難しくしてはならない。良いことを伝えなさい。憎しみを広めてはならない」[v]と語った、預言者ムハンマドのタブリーグのあり方を模範としましょう。教えへと招いたり、導いたりしようとするときには、十分に配慮しなくてはなりません。善意をもって良いことを行うのだとしても、たとえ悪意はないとしても、知らず知らずのうちに誰かを傷つけてしまうことのないようにしましょう。

[i] Muddaththir, 74/1-3.
[ii] Al-i ‘Imran, 3/104.
[iii] Saff, 61/2-3.
[iv] Fussilat, 41/33.
[v] Bukhari, ‘Ilm, 11.


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