東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「分別と思慮:宗教の悪用に立ち向かうために」

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能のアッラーは、次の節を通してこのように告げておられます。「……また本当に、これがわれのまっすぐな道。それゆえ、これに従いなさい。他の諸々の道に従ってはならない。さもないとあなたがたは、この道から離ればなれになるだろう。御方があなたがたに指図しているのは、このようなこと。あなたがたも、畏れる者となるだろう」。[i]

また、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、ハディースの中で次のように語っています。「最もすぐれた講義はアッラーの啓典によってもたらされ、最もすぐれた導きはムハンマドによってもたらされた」。[ii]

親愛なる信仰者の皆様!
私たちの崇高な宗教であるイスラムは、人々にその主(スブハーナワタアーラー)について教え、自分たちがなぜ生まれてきたのかを教え、現世においても、来世においても幸福が約束されていることを教えるために啓示されました。イスラムとは、価値観と規則の完成された組み合わせであり、それはクルアーンの導きと預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)の模範を元に形づくられています。ムスリムはこれらの価値観を固く守り、またこれらの規則に従うことにより、イスラムを正しく理解し、伝え、実践する努力を重ねてきました。しかし過去から現在に至るまで、公正さと真理、そして真実の道であるイスラムという宗教を、現世の利益や私利私欲のために悪用し、搾取しようとする人々が存在しています。

親愛なるムスリムの皆様!
宗教の悪用とは、宗教における精神的な権威を利用して物質的な利益や権力、名声、地位などを得ることを意味します。また宗教を悪用する人は、自分のやり方に従わず、自分とは違う考え方をする人々を排除しようとします。

親愛なる信仰者の皆様!
私たち一人ひとりが、しっかりとした目を持ち、慎重に行動するよう心がけなくてはなりません。
完成された最後の宗教に属し、従う者として、私たちには全能のアッラー(スブハーナワタアーラー)から授かった理性と意志があります。その価値を知りましょう。この宝物を無駄にすることのないようにしましょう。搾取されるのを防ぐためにも、適切な意図と信頼に足る典拠を有する専門家から宗教を学ぶようにしましょう。聖クルアーンと預言者ムハンマドのスンナという変わらない真実だけが判断の基準であるにふさわしいことを忘れずにいましょう。

[i] An’am, 6/153.
[ii] Nasai, ‘Idayn, 22.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「分別と思慮:宗教の悪用に立ち向かうために」.(PDF)