東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「ムラーカバとムハーサバについて」

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能のアッラーは、決して人間を見捨てるようなことはなさいません。宇宙の中心のような存在である人間を、世話もせずただ放置しておくようなことはありません。神は常に人間をご覧になっており、人間は常に神の管理の下にあります。
私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)は、信じる者たちよ。あなたがたはアッラーを畏れなさい。明日のためにあらかじめ何をしたか、それぞれ考えなさい[i]と告げ、来世のために準備をするよう命じておられます。主は私たちに、ムラーカバ、すなわち常に自分のあり方を見つめなおすよう呼びかけておられます。そして私たちがムハーサバ、すなわち自分自身の内なる世界と向き合い、自分自身に問いかけ続けるよう求めておられるのです。

親愛なるムスリムの皆様!
ムラーカバとは、私たちがなぜ創造されたのか、どこから来て、どこへ向かうのかを自問することを意味します。自分自身の過ちや罪を忘れることなく、償い、乗り越えるための努力をすることを意味します。アッラーは常に私たちと共におられるということを意識しながら生きてゆくことを意味します。信仰を自分の力とし、理性を用いてナフス(エゴ)をコントロールすることを意味します。シャイターンの罠や、現世の果てしない欲望に身を任せてしまうことのないよう、いつでも怠ることなく注意深くあることを意味します。ムラーカバとは、私たちの心をアッラーに結び付け、誠実に礼拝をし、慈悲の心と信仰の心によって競い合うことを意味しているのです。

親愛なるムスリムの皆様!
金曜日のホトバの終わりに、パンデミックとの闘いにおいてもまた、私たち一人ひとりが自問自答する必要があることをお伝えしておきたいと思います。この闘いにおいて私たちがなすべきこととは、良心的な行動であります。対策を立て、それを遵守するという私たち一人ひとりの決意が非常に重要なことなのです。自己満足に陥ったり、油断したりすることのないようにつとめましょう。警告には耳を傾け、他人の権利を侵害することのないように心がけましょう。

[i] Hashr, 59/18.


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