東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「アルコール飲料:悪の有害な友について」

尊敬すべきムスリムの皆様!
イスラムは、私たちの生活、財産、心と信仰、次世代についての安全と安心を守るための規則を定めています。また、それらの基本的な価値を守るようにも私たちに命じています。私たちの健康を損ね、心のバランスを崩し、財産を無駄に浪費させ、自分の家族を傷つけるような、あらゆる種類の悪い習慣を禁じています。アルコールがハラームとされるのはこうした理由によるものです。この点について、預言者ムハンマドはハディースの中で次のように語っています。「人を酔わせる飲み物はすべてハムル(アルコール飲料)とみなされる。そしてあらゆる種類のハムルは禁じられる」。[1]

親愛なる信仰者の皆様!
酒、アルコール飲料とは、アッラー(スブハーナワタアーラー)から私たちへの貴重な信託であり祝福である心、魂、体をゆがめてしまいます。ハラールなもののために費やされるべきである財産をまったく無駄なもののために失わせ、貴重な人生までも無駄にしてしまいます。アルコールは家族の平安、子どもの希望、そして若者の未来に暗い影を落とします。アルコールのために善へと続く扉が閉ざされ、その一方で悪への道がますます広げられてしまいます。友情が失われ、敵意ばかりがあおられることになります。毎年、交通事故を含め何千、何万もの悲劇がアルコールによって引き起こされているのです。アルコールについて、全能のアッラー(スブハーナワタアーラー)は私たちに、クルアーンを通して次のように警告しています。
悪魔は、酒や賭博をもってあなたがたの間に敵意と憎しみを起こさせ、あなたがたがアッラーを想い起こし、礼拝するのを妨げようとしている。それでもあなたがたは、[それらを]断たないのか」。[2]

親愛なるムスリムの皆様!
私たちの心と意志を、アッラー(スブハーナワタアーラー)がお喜びになる、ハラールな良いもののために使いましょう。ムスリムとして信仰と希望を持ち続け、美徳を守り、反省をし、何かを生み出すことによって努力を続ける人であれるよう努力しましょう。アルコールが私たちの社会を虜にし、人々を麻痺させ、怠惰と絶望に引きずり込み、人々をアルコールの奴隷のようにしてしまうことを決して許さないようにしましょう。共に健康で平和な、幸福な未来を築いてゆきましょう。

[1] Muslim, Ashribah, 74.
[2] Ma’idah, 5/91.


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