東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「バラートの夜」

親愛なるムスリムの皆様!
全能のアッラー(スブハーナワタアーラー)からしもべたちに授けられた、最大の祝福のひと時が訪れました。このひと時、可能性と多くの機会が一人ひとりの人生をあますところなく包み込みます。これはかけがえのない財産であり、一瞬、一瞬が貴重な、無駄にすることのできない価値を秘めています。

尊敬すべき信仰者の皆様!
特定の月や日時に関係なく、アッラー(スブハーナワタアーラー)への崇拝を意識して過ごした時間は、そのすべてが貴重なものです。しかし、聖なる恩寵の時として授けられ、祈りが受け入れられ、赦しに導かれる特別な時というものが存在します。これはアッラー(スブハーナワタアーラー)から人々に対する無限の慈悲のしるしなのです。こうしたとても貴重な時間のひとつがライラトゥル・バラートであり、明日の夕刻から始まるひと時がこれにあたります。

親愛なるムスリムの皆様!
アッラーの使徒(彼の上に祝福と平安あれ)は、ライラトゥル・バラートに行われる崇拝や礼拝、祈りが、私たちへの赦しにつながているという良い報せをもたらしました。「シャアバーン月15日には斎戒をし、また夜は礼拝をして過ごしなさい。なぜならその夜、日が沈むと、至高のアッラーが、私たちには知ることのできない形で、地上に最も近い空にご自身を現します。そして『誰か、赦しを求める者はいないか。われが赦そう。誰か、糧を求めるものはいないか。われが授けよう。誰か、災難に遭っている者はいないか。われが助けよう……』と仰せになり、それは夜明けになるまで続くのです」。[1]

尊敬すべき信仰者の皆様!
ライラトゥル・バラートとは、私たちの心のもっとも深いところから、アル・ラフマーン(スブハーナワタアーラー)へと至る道が開かれる時です。ライラトゥル・バラートとは、悔い改め、アッラー(スブハーナワタアーラー)に立ち返ることにより、その慈悲と赦しを求めるための貴重な時なのです。

全能のアッラー(スブハーナワタアーラー)は、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)に対し、聖クルアーンにおいて次のように告げておられます。われらのしるしを信じる者が、あなたのところへ来たときは言いなさい。「あなたがたに平安あれ。あなたがたの主は、[あらかじめ]慈悲を御自らの旨とした。それゆえ無知であったために悪を行った者が、その後になって悔い改め、また自らをただすなら、御方はもっともよく赦し、もっとも慈悲深い」。 [2]

親愛なるムスリムの皆様!
この夜の教えとバラカ(祝福)の恩恵を受け取り、永遠の生における救いというバラートを受け取りましょう。
息をひとつするのにも、アッラー(スブハーナワタアーラー)のご承認を求めるようにしましょう。クルアーンとスンナの導きに従って、私たちの人生を形づくってゆきましょう。アッラー(スブハーナワタアーラー)への崇拝を意識せずに過ごしてしまったすべての時間は、やがて損害や損失として自分自身にはね返ってくるということを忘れないようにしましょう。
この場を通して、皆様のライラトゥル・バラートにお祝いを申し上げます。聖なるこの夜、全能のアッラー(スブハーナワタアーラー)が私たちの貴い共同体に、イスラム世界に、そして全人類に繁栄をもたらしますように。

[1] Ibn Majah, Iqamat, 191
[2] An’am 6/54.


https://youtu.be/SgnVXExpW-k

東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「バラートの夜」.(PDF)