東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「ムスリムがムスリムに対して有する権利について」

親愛なる信仰者の皆様!
預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、ムスリムが互いにつながりを持ち、愛に基づく関係を築くことのすばらしさを人々に伝えました。「ムスリムには、他のムスリムに対して5つの義務を負っています。すなわち、挨拶には挨拶で返すこと、病人を見舞うこと、葬式に参列すること、招きに応じること、それからくしゃみをした者のために祈ること」。[1]
そうです、第一に預言者(彼の上に祝福と平安あれ)が勧めているのは、挨拶を交わすことです。サラームは、心と心の間に愛情の架け橋を築くのに役立ちます。信頼と平和を確かなものとし、友情と同胞愛を強めてくれます。信仰と、信頼の保証と、愛情の完成に必要とされる条件のひとつなのです。

親愛なるムスリムの皆様!
アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)の使徒が次に勧めているのは、病人を見舞うことです。お見舞いという行為によって、誰がいつ健康を失ったとしても不思議ではなく、私たちが互いを必要としているのを知ることは、主(スブハーナ ワ タアーラー)の無限の御恵みを得るための手立てとなります。
第三に、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は葬式に参列することを勧めています。兄弟姉妹の葬儀の祈りに参加し、前向きなあり方で自らの証言を表明し、埋葬に付き添い、故人の親族に哀悼の意を示すことは、宗教上の、またひとりの人間としての義務です。

親愛なるムスリムの皆様!
預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)の第四の勧めは、ムスリムの兄弟姉妹からの正体を受け入れることであり、状況や必要に応じて、許される範囲で兄弟姉妹を喜ばせることは、預言者がとった倫理的なふるまいのあり方です。
そして第五に、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)は、くしゃみをしているムスリムがいたら、その人のために祈ることを勧めています。

親愛なる信仰者の皆様!
もちろん、お互いに対する私たちの権利はこの五つの推奨に限られるものではありません。それ以外にも私たちには家族や隣人、親せきに対して良いことをする、身寄りのない子を保護する、困っている人を助けるといった責任があります。
本日の金曜のホトバを、全能の主(スブハーナ ワ タアーラー)が聖クルアーンを通して教えてくださった次の祈りをもって終わります。主よ。私たちと、信仰において私たちよりも先だったきょうだいたちを赦してください。私たちの心の中に、信じる者に対するどのような悪意も持たせないでください。主よ。本当にあなたは優しく、もっとも慈悲深い」。[2]

[1] Bukhari, Jana’iz, 2.
[2] Hashr, 59/10.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「ムスリムがムスリムに対して有する権利について」.(PDF)