リファット・チナル(東京ジャーミイ イマーム)より ミーラージュの夜に寄せるメッセージ

Muhammet Rıfat ÇINAR

親愛なる兄弟、姉妹の皆様へ
私たちは、恵みと慈悲、祝福と恩寵の季節である聖なる三か月を過ごしています。インシャアッラー、日曜から月曜、私たちはミゥラージュの夜を迎える喜びを味わうことでしょう。全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)が、この夜にかけて私たちの偉大な故郷に、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)のウンマに、そしてすべての人類に健やかさと平安、そして幸福を授けてくださいますように。皆様が祝福されたミゥラージュの夜を過ごされますようお祈りいたします。

全能の主は、アル=イスラーゥ章第1節において次のように告げておられます。「讃美あれ、禁制のマスジドから、われらがしるしを見せるために、われらがその周囲を祝福したはるか彼方のマスジドへ、夜にそのしもべに旅をさせた御方。本当にすべてを聞く御方、すべてを見る御方。」この章の名の由来にちなみ、イスラーゥという語は、マスジド・アル=ハラームからアル=クドゥスのマスジド・アル=アクサーへと至る預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)の旅を指すものとなりました。一方でミーラージュとは、彼が天上に昇り、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)の威力と偉大さを目の当たりにし、恩寵と慈悲、そして喜ぶべき知らせを授かった出来事を指します。

私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)が、アル=イスラーゥ章を通して下されている教えのいくつかをご紹介しましょう。アッラーの他に、何ものも崇拝しないこと。両親には良くし、彼らが老齢を迎えたなら、追いやったりせず、乱暴な受け答えはせず、ていねいな言葉で語りかけること。親族の権利を尊重すること。同時に、貧しい人や旅人の権利も尊重すること。吝嗇も浪費も避けること。法に背いた性的な交渉には近づかないこと。アッラーが禁制とした生命を、正当な権利もなくして奪ってはならない。血で血をあがなう抗争を続けてはならない。孤児の財産に手を付けてはならない。約束したことはすべて守ること。量や目方は公正な秤を用いてしっかりと測ること。自分に知識のないことについて執着しないこと。居丈高な態度で地上を歩き回らないこと。

こうした思いを込めて、イスラーム世界全体に向けてミーラージュの夜をお祝い申し上げるとともに、祝福されたこの夜がムスリムを調和と連帯に導くよう、全能の主に祈ります。

ムハンメット・リファット・チナル
東京ジャーミイ イマーム