東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「知識と教育は道徳によって高められること」
親愛なる信仰者の皆様！
朗読した章句の中で、預言者イブラーヒームと預言者イスマーイールは全能のアッラーに次のように祈りました。「主よ。彼らの中からその使徒を立ち上がらせ、あなたの御しるしを読み聞かせ、啓典と知恵を授け、彼らを清らかにしてください。本当に威力ある御方、もっとも賢明な御方とはあなたのこと。」1 また、ハディースの中で、私たちの預言者(saw)はこう語っています。「知識を求める道をたどる者はアッラーが楽園への道を容易にしてくださる。天使たちは知識を求める者を受け入れ、彼らの上にその翼を休める。……」2
親愛なるムスリムの皆様！
私たちの崇高な宗教であるイスラームは、男女を問わずすべてのムスリムに対し、知識を得るということを第1の義務としています。全能のアッラーは、اِقْرَأْ بِاسْمِ رَبِّكَ الَّذ۪ي خَلَقَۚ 「読め、創造者たるあなたの主の御名において」3 と仰せになり、アッラーの御名において、またその御心に従い、読むことと知識を得ることを命じておられます。私たちの愛する預言者 (saw)は、知識の道を歩み、無益な知識に対してはアッラーに加護を求めた人々を称讃しました 。4 なぜなら、人は知識を通して自分自身と、主(swt)と、取り巻く世界を理解するようになるからです。人は知識を通じて創造の目的を理解し、道徳と美徳、善良さと敬虔さを身につけます。知恵を通じて真実と偽り、善と悪、正しいことと間違っていることを区別するのです。
親愛なる信仰者の皆様！
私たちの主 (swt)の美しい御名のひとつは、 「アル＝アリーム[al-‘Alim]」です。 主 (swt) だけがすべての知識の源であり、主が授けた知性、主が啓示した聖典、主が遣わした預言者を通じて、人々が知らなかったことを教えてくださいます。したがって、啓示に導かれ、預言者の道徳によって豊かにされ、人類の利益のために使われることで、知識の真価が発揮されるのです。それは現世の平安と幸福、来世の永遠の祝福へと人間を導きます。クルアーンと理性を、スンナと預言者(saw)の人生を、イスラームと人々を調和させることができたなら、真実を学び、教える立場にある信仰者としての責任を果たしたことになるでしょう。
親愛なるムスリムの皆様！
知識と教育とは、ただ知識を詰め込むということではありません。知識、教育、訓練、育成の目的は、善良な道徳と行いを養うことにあります。善人を育てること、社会と人類に役立つこと、すべての人が平和に暮らせる世界を築くことです。知識と教育が知恵を伴い、道徳によって高められれば、どんな悪人も社会での居場所をなくすことでしょう。暴力は愛情に、憎しみは慈悲に置き換えられるでしょう。
本日のホトバを、預言者(saw)の次の祈りをもって終わります。「アッラーよ。あなたが教えてくださったことを通じて、私に益をもたらしてください。私にとって益になることを教えてください、私の知識を増やしてください。」5
[1] Baqarah, 2/129.
[2] Tirmidhi, ‘Ilm, 19.
[3] ‘Alaq, 96/1.
[4] Muslim, Dhikr, 73.
[5] Tirmidhi, Da’awat, 128.
