東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「私たちを形作る価値観を守ること」

金曜礼拝のフトバ

私たちを形作る価値観を守ること

親愛なるムスリムの皆様、
私たちの崇高な宗教であるイスラームには、クルアーンとスンナに基づいてムスリムとしてのアイデンティティを構築するという目標があります。このアイデンティティを構築するにあたり、イスラームの基本の尺度となるのはアッラーの使徒ﷺが教えた道徳の原則です。この原則を通して出現したのが、イスラーム文化であり文明です。

親愛なる信仰者の皆様!
ムスリムのアイデンティティを構成する中で、もっとも高い価値があるのは信仰です。それは私たちが創造された目的を思い出させ、責任を教え、人格を養います。主(スブハーナ ワ タアーラー)のご承認を得られるようにしてくれるのは崇拝の行為であり、平安と幸福の源となるのは善良な道徳です。

親愛なるムスリムの皆様!
ムスリムとしてのアイデンティティを保つ人は、イスラームの原則、すなわちイスラームの特徴や信条を尊重することでしょう。全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)は、「アッラーの儀礼を重んじるのは、畏れる心によるもの」1 と告げ、こうした特徴や信条を守ることが、篤信の条件であることを知らせておられます。

親愛なる信仰者の皆様!
私たちは、道徳的な価値観や習慣、伝統が衰え、文化の喪失が急速に進んでいる時代を生きています。文化的な凋落のひとつが新年の祝いです。しかし、大晦日の名のもとに開かれるお祭り騒ぎや、象徴的な伝説上の人物にしても、またもみの木にしても、私たちの歴史や文化とはまったく関わりのないことです。私たちの崇高な宗教であるイスラームは、すべての悪の元凶である飲酒と、家庭や家族を崩壊させ、殺人まで引き起こす賭け事とを禁じています。宝くじ、ベッティング、賭博など、あらゆる賭け事は、私たちの宗教においては禁じられた罪深い行為です。

親愛なるムスリムの皆様!
社会は、その価値観によって知られ、記憶されるものです。それぞれが自分たちの価値観に従って存続しています。この点について、私たちの預言者ﷺは次のように警告しています。 「誰かを[行いにおいて]模倣する者は、その仲間である」。2 ですから、私たちの価値観を固く守りましょう。それが私たちを私たちたらしめ、私たちを支えるもっとも強い避難所となるのです。私たちの信仰、歴史、文化とは相容れない迷信的な習慣や伝統を、私たちの生活に反映させることのないようにしましょう。
本日の金曜礼拝のホトバを、私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)の次の御言葉をもって終わります。 「あなたがたの友とは、ただアッラーと、その使徒と、礼拝のつとめを守り、喜捨をし、こうべを垂れる、信じる者たちのみ。」3

[1] Hajj, 22/32.
[2] Abu Dawud, Libas, 4.
[3] Ma‘idah, 5/55.


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とうきょうジャーミイ きんようれいはいのホトバ(ひらがなとかたかな PDF)