東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「スーラ・アル=マサドのメッセージ」
親愛なるムスリムの皆様!
私たちの神聖な書である聖クルアーンのスーラのひとつに、スーラ・アル=マサド(タッバト)があります。今週の金曜礼拝のホトバでは、スーラ・アル=マサドが教えてくれた真理について今一度かんがえてみましょう。
このスーラで、全能のアッラーは次のように述べています。「アブー・ラハブの両手は滅びよ。彼も滅びよ。 彼の財も、得たものも、何の役にも立たない。彼は猛々しい火炎の中で焼かれるだろう、その薪を運ぶ彼の妻も[焼かれるだろう]、その首に、椰子の荒縄をかけられて。」1
親愛なる信仰者の皆様!
アブー・ラハブは預言者(saw)のおじでした。しかし、彼は自分の甥に過酷な試練、暴虐、抑圧を課した者のひとりでした。イスラームとムスリムの最大の敵のひとりでした。アル=マサド章は、アブー・ラハブとその支持者、そして彼らに従う者たちがたどる運命を示しており、そこからはいくつかの教訓が得られます。
このスーラから、アッラーとその使徒(saw)に戦いを挑み、信仰者を執拗に阻む者は、厳しい罰を受けるということがわかります。
親愛なるムスリムの皆様!
スーラ・アル=マサドは、アブー・ラハブとその仲間たちのような、抑圧を支持する者たちは、最終的には同じ運命をたどるということを強調しています。これは、抑圧者を支持すること自体、抑圧者の行いそのものだからです。抑圧を広める原因となること自体が、抑圧者の行いそのものです。預言者(saw)は、「抑圧を助ける者は、全能のアッラーの怒りをこうむる」2 と語っています。ですから、どこであろうと、抑圧に対して私たちは手(行動)、舌(言葉)、心をもって、断固として立ち向かわなくてはなりません。抑圧が存在する世界では、誰も安全ではいられません。この点について、アッラーの使徒(saw)の警告は非常に明確です。「抑圧者を見ても(その悪事を)止めないなら、アッラーはその全員を罰したもうだろう。」3
親愛なる信仰者の皆様!
アブー・ラハブのような人物による抑圧が今も続いており、アブー・ジャフルのように悪意を持った個人が地上のあちこちにみられるのは残念なことです。殺人者や占領者が、イスラームの地、特にガザにおいて子どもや女性、老人、罪なき人びとを容赦なく残酷に虐殺しています。冷酷な犯罪者が、歴史上前例のない大量虐殺を行っているのです。彼らを支持する人びとは、血まみれの手で抑圧を称讃し、抑圧者を奨励しています。抑圧者たちよ、この暴力を止めなさい! あなたが依存している権力の源を信頼してはなりません! 歴史を振り返り、そこから学びなさい! 道を踏み外したために、何が起こったかを思い出しなさい! 今あなたが持っている権力も資源も、決してあなたを救うことはできません。私たちの崇高な宗教であるイスラームが人びとの心に根付き、世界に広がるのを止められる力はどこにもありません。私たちの主は、この事実を次のように知らせておられます。
يُر۪يدُونَ لِيُطْفِؤُ۫ا نُورَ اللّٰهِ بِاَفْوَاهِهِمْ وَاللّٰهُ مُتِمُّ نُورِه۪ وَلَوْ كَرِهَ الْـكَافِرُونَ
「彼らは自分たちの口先で、アッラーの光を消そうとする。しかしアッラーはその光をまっとうする、たとえ[真理を]拒む者が嫌おうとも。」4
本日のホトバを、次の章句をもって終わります。全能の主は告げておられます。
قُلْ لِلَّذ۪ينَ كَفَرُوا سَتُغْلَبُونَ وَتُحْشَرُونَ اِلٰى جَهَنَّمَۜ وَبِئْسَ الْمِهَادُ
「[ムハンマドよ、真理を]拒む者たちに言いなさい。「あなたがたは打ち負かされ、地獄に集められるだろう。何と悪い寝床だろうか」。」5
[1] Masad, 111/1-5.
[2] Abu Dawud, Qada’ (‘Aqdiyyah), 14.
[3] Tirmidhi, Tafsir al-Qur’an, 5.
[4] Saff, 61/8.
[5] Ali ‘Imran, 3/12.
Prayer | Time |
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Fajr | 05:16 |
Sunrise | 06:47 |
Dhuhr | 11:40 |
Asr | 14:53 |
Maghrib | 16:32 |
Isha | 17:58 |