東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「すべての魂は不可侵であること」
親愛なるムスリムの皆様!
ヒジュラから10年目、アッラーの使徒(saw)とその教友たちは、ハッジの礼拝を行うためにアラファトに集まりました。この日、預言者(saw)はアッラーの命令(swt)と禁止をのべ伝え、人権と自由の原則とともにイスラームの普遍的なメッセージを伝えました。のちに「別れの説教(フトバ)」として知られるこの説教の深遠なメッセージのひとつに、生命の神聖さがあります。このことに関してアッラーの使徒(saw)は、別れの説教を通して全人類に次のように語りかけました。「人びとよ! 本当にあなたがたの血、財産、そして名誉は、あなたがたのこの日、このズー・アル=ヒッジャ月、そしてあなたがたのこのマッカの町の神聖さと同じくらい神聖で不可侵なものである。」1
親愛なる信仰者の皆様!
私たちの崇高な宗教であるイスラームによれば、人間はすべての被造物の中でもっともすぐれ、もっとも貴重な存在であるとされています。人間はあらゆる尊敬と名誉を受けるに値し、宗教、言語、肌の色にかかわりなく、男女を問わずすべての人の命が不可侵であり、誰の命も神聖です。したがって、医学的な必要性や宗教的な正当性がある場合を除き、人工中絶によって子宮の中の胎児の生命を絶つことはできません。自死により自らの命を絶つ権利は誰にもありません。慣習や伝統をかさに着て名誉殺人を正当化することはできません。名誉の名の下に生命を奪う権利は誰にもないのです。国家の役割をわがものとし、罪を犯した者を罰することはできません。誰であろうと、他人の生命を危険にさらしたり、他人の身体を傷つけたり、名誉や尊厳を害する権利はありません。
親愛なる信仰者の皆様!
私たちは、慈悲深い者のうちもっとも慈悲深いお方である主(swt)を心から信仰する者です。私たちは、 اَلْمُسْلِمُ مَنْ سَلِمَ النَّاسُ مِنْ لِسَانِهِ وَيَدِهِ 「ムスリムとは、他の人にとりその手や舌が安全な者のことである」2 と語った慈悲の預言者ムハンマド・ムスタファ(saw)のウンマです。私たちに求められているのは、思いやりを持ち、手や舌で誰かを傷つけないことです。それは決して暴力に訴えることなく、人の心を傷つけることなく、命を奪うことはおろか、いかなる危害も与えないことです。子どもや若者が自分の宗教に誠実に、故郷と人類のためにすすんで貢献できるように教育することです。病院の片隅で、健康を取り戻し、命をつなごうと奮闘している人びとのために、私たちの血液や臓器を提供することで命の源となることです。自分の命を大切にするのと同じように、すべての人びとの命を大切にし、自分が求めるのと同じ良いことを他の人のためにも望むとき、私たちは真に完成された信仰者に、模範的なムスリムに、善良な人間になれるということを忘れないようにしましょう。
[1] Bukhari, ‘Ilm, 9.
[2] Ibn Hanbal, VI, 22.
Prayer | Time |
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Fajr | 05:16 |
Sunrise | 06:47 |
Dhuhr | 11:40 |
Asr | 14:53 |
Maghrib | 16:32 |
Isha | 17:58 |