東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「慈悲深い者は慈悲を授かる」
親愛なるムスリムの皆様!
子どもたちの存在は、私たちの預言者(saw)の心の中で特別な場所を占めていました。あるとき、預言者が教友たちと座っていると、彼の孫であるハサンが近づいてきました。私たちの愛する預言者(saw)はすぐに彼を腕の中に抱き上げ、抱きしめ、キスをしました。預言者とその場に居合わせ、その瞬間を見ていたある人が、「私には10人の子がいますが、誰にもキスをしたことなどありません」と言いました。するとアッラーの使徒(saw)はこう答えました。مَنْ لاَ يَرْحَمُ لاَ يُرْحَمُ 「慈悲のない者に、慈悲は示されない。」1
親愛なる信仰者の皆様!
全能のアッラー(swt)が人間に植え付けた深い感情のひとつに、慈悲があります。慈悲とは、全能のアッラー(swt)の御名であるアッ=ラフマーンとアッ=ラヒームが、私たちの心に映し出されることです。慈悲とは、単なる憐みの感情ではありません。傷ついた心をいやし、悲しんでいる人びとに慰めを与える能力です。慈悲とは、すべての人やすべてのものに対して敏感であることを意味します。「自分にとって何の得があるのか」という態度ではなく、「自分に果たせる役割とは何か」という心構えのことです。
尊敬すべき信仰者の皆様!
私たちは慈悲の使徒である預言者ムハンマド・ムスタファ(saw)のウンマの一員です。慈悲を指針とする文明の代理者です。私たちの義務は、両親に対して舌打ちをしたりすることを控えるだけではなく、慈悲をもって彼らの上に優しさの翼を広げることです。自らの伴侶には愛情と慈しみをもって、また子どもたちには思いやりと優しさをもって接するよう求められています。親せきや隣人とは強い関係を築き、コミュニティの信頼と平安を保証する者とならなくてはなりません。仕事を通じて、奉仕する側であろうと奉仕される側であろうと、関わり合うすべての人に敬意と礼儀をもって接し、常に互いに助け合うようつとめることが私たちの義務です。それは憎しみや恨みを私たちの心から洗い流し、代わりに神の慈悲と預言者の慈悲で満たすことです。慈悲をもって同胞愛を育み、団結と連帯を深めることです。それは全能の主(swt)の、نَبِّئْ عِبَاد۪ٓي اَنّ۪ٓي اَنَا الْغَفُورُ الرَّح۪يمُۙ 「われのしもべたちに報せなさい。われはもっともよく赦す者、もっとも慈悲深い者であり、……」2
وَاَنَّ عَذَاب۪ي هُوَ الْعَذَابُ الْاَل۪يمُ 「……またわれの懲罰は、痛烈な懲罰であると」3 という章句とを決して忘れないことです。
本日の金曜礼拝のホトバを、聖クルアーンの次の祈りをもって終わります。「……『主よ、私たちは信じます。それゆえ私たちを赦し、私たちに慈悲を垂れてください。あなたは慈悲深い者のうち、もっとも慈悲深い御方』。」4
[1] Bukhari, Adab, 18.
[2] Hijr, 15/49.
[3] Hijr, 15/50.
[4] Mu’minun, 23/109.
Prayer | Time |
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Fajr | 05:16 |
Sunrise | 06:47 |
Dhuhr | 11:40 |
Asr | 14:53 |
Maghrib | 16:32 |
Isha | 17:58 |