東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「物質的・精神的な破壊：ギャンブルについて」
親愛なるムスリムの皆様！
ギャンブル/賭け事は、私たちの崇高な宗教であるイスラームが厳しく禁じている行為のひとつです。ギャンブルには不当な利益が伴います。誰かの勝利は、別の誰かの損失という犠牲の上に成り立っています。愛情や同胞愛といった感覚を蝕み、憎しみや敵意、復讐心を煽る破壊的な習慣です。ギャンブルは精神的・霊的な健康を害し、家族の平安を乱し、利益に対する欲に駆られた個人の利己主義とどん欲さを助長してしまう、一種の病です。
親愛なる信仰者の皆様！
スーラル＝マイイダ（食卓章）90節に、全能のアッラー(swt)はギャンブルを禁じておられることが告げられています。「信じる者たちよ。あなたがたにとり酒、賭博、石碑[に捧げものをすること]、占い矢は嫌悪すべき悪魔の業（わざ）。それゆえ、これらを避けなさい。そうすれば、あなたがたは栄えるだろう。」1 この章句に続けて、全能のアッラー(swt)は、ギャンブルが禁止された理由のひとつを説いておられます。「悪魔は、酒や賭博をもってあなたがたの間に敵意と憎しみを起こさせ、あなたがたがアッラーを想い起こし、礼拝するのを妨げようとしている。それでもあなたがたは、[それらを]断たないのか。」2
親愛なるムスリムの皆様！
ギャンブルは、主催する者にも参加する者にも物質的かつ精神的な破滅をもたらします。勝てば他人に害を及ぼし、負ければ自分に害を及ぼします。すべての依存症と同じく、ギャンブルから身を守るもっとも効果的な方法は、そもそも最初から手を出さないこと、ギャンブルをする人や、誰かにギャンブルをさせる人とは関わらないことです。ですから、多くの家庭を破壊し、数えきれないほどのともし火を消し、無数の悲劇を引き起こしてきたギャンブルから距離を置きましょう。あらゆる種類の依存症から若者や子どもたちを守るためにも、彼らと愛情や思いやり、信頼に基づいた関係を築き上げましょう。彼らが良い友人に囲まれ、安全な環境で成長できるよう努力しましょう。ギャンブルは飲酒や嘘、詐欺、さらには殺人を含む重大な罪にまでつながることを、決して忘れることのないようにしましょう。
今週の金曜礼拝のホトバを、私たちの愛する預言者(saw)の次のハディースをもって終わります。「自らの手を動かして得たものよりも良い食べものを食べたことのある者など、ひとりもいない。…」。3
[1] Ma’idah, 5/90.
[2] Ma’idah, 5/91.
[3] Bukhari, Buyu’, 15.
