東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「困難を乗り越えれば、安らぎが訪れる」
親愛なる信仰者の皆様!
それはヒジュラから8年目のことでした。私たちの預言者 (saw)と教友たちは、重苦しい気持ちで去った故郷を取り戻すため、そしてカアバから偶像崇拝を取り除くために、マッカへと旅立ちました。征服の準備が完了すると、イスラームの軍勢はマッカに入城しました。愛すべき預言者 (saw)は、非常に謙虚に主(swt)を讃え、カアバに向かい、バイト・アッラーの周りでタワーフをし、2ラクアの礼拝を行いました。それからカアバの階段を上り、次のように述べました。「アッラーに称賛あれ、マッカ征服の約束を果たし、しもべを助け、敵勢を打ち負かした唯一のお方」1 。マッカの人びとはカアバの周りに集まり、不安と恐怖の中で、自分たちの運命に関するアッラーの使徒(saw)の決定を待ちました。慈悲の使徒 (saw)は、集まった群衆に思いやりと優しさをもって語りました。「預言者ユースフがそうであったように、私もあなたがたにこう告げましょう。 لَا تَثْر۪يبَ عَلَيْكُمُ الْيَوْمَۜ يَغْفِرُ اللّٰهُ لَكُمْۘ وَهُوَ اَرْحَمُ الرَّاحِم۪ينَ 『今日になって、あなたがたを咎めることはありません。アッラーはあなたがたを赦すでしょう。慈悲深い者のうち、もっとも慈悲深い御方です』。さあ、皆さんは自由の身です。」2
親愛なるムスリムの皆様!
マッカ征服は、困難の後には常に安楽が、苦難の後には常に安らぎが、そして悲しみの後には常に喜びが訪れることを私たちに教えてくれています。全能の主(swt)はこのことについて、アッ=シャルフ章においてاِنَّ مَعَ الْعُسْرِ يُسْراًۜ .فَاِنَّ مَعَ الْعُسْرِ يُسْراًۙ 「それゆえ本当に、安楽は苦境と共にあり、本当に、安楽は苦境と共にある」3 と告げておられます。マッカ征服は、真実は虚偽に、正義は抑圧に、善は悪に必ず勝つということを予告しているのです。それは、土地を征服する以前に、心を征服することの重要性と必要性を私たちに教えてくれています。
尊敬すべき信仰者の皆様!
かつて抑圧が勝利したことは決してなく、今後もまさることは決してないということは、歴史が示すとおりです。歴史を通して、抑圧者がその不誠実な野望の達成に成功したことはなく、今後も決して成功することはないでしょう。وَاللّٰهُ مُتِمُّ نُورِه۪ وَلَوْ كَرِهَ الْكَافِرُونَ 「アッラーはその光をまっとうする、たとえ[真理を]拒む者が嫌おうとも」4 という全能の主(swt)の約束は、必ず果たされるのです。この点に関する私たちの預言者の警告は、اِتَّقِ دَعْوَةَ الْمَظْلُومِ، فَإِنَّهُ لَيْسَ بَيْنَهُ وَبَيْنَ اللّٰهِ حِجَابٌ 「抑圧された者の祈りに注意を払いなさい。本当に彼らとアッラーとの間には、何の障壁もないのである」5 と、非常に明快です。
親愛なるムスリムの皆様!
世界のどこにいようと、宗教、人種、肌の色に関わりなく、抑圧されている人びとに寄り添い続けましょう。マッカ征服のときと同じように、クルアーンとスンナの導きのもとに団結しましょう。同胞愛の法と倫理を守り、未来への希望を持ち続けましょう。分裂や不和の種を蒔こうとする者たちに対し、用心を怠らないようにしましょう。
本日の金曜礼拝のホトバを、アン=ナスル章の訳をもって終わります。「アッラーの助けと勝利が到来し、人々が群れをなしてアッラーの宗教に入るのを見たなら、称賛をもってあなたの主を讃美し、赦しを願いなさい。本当に、幾度でも悔い改めを受け入れる御方。」6
[1] Ibn Majah, Diyat, 5.
[2] Yusuf, 12/92; Waqidi, Maghazi, II, 835; Bayhaqi, al-Sunan al-kubra, IX, 195.
[3] Sharh, 94/5,6.
[4] Saf, 61/8.
[5] Bukhari, Zakat, 63.
[6] Nasr, 110/1-3.
Prayer | Time |
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Fajr | 04:55 |
Sunrise | 06:20 |
Dhuhr | 11:54 |
Asr | 15:49 |
Maghrib | 17:29 |
Isha | 18:50 |