東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「罪を犯す者のうち、もっとも良い者とは悔い改める者」
親愛なる信仰者の皆様！
私たちの人生の資本は急速に減っています。過ぎ去る1分1秒ごとに私たちは死に近づいています。そうした間にも、時として私たちはしもべとしての制約を忘れ、私たちの主(swt)、家族、取り巻く環境や人類全体に対する責任を怠ることがあります。また、審判の日も見過ごし、過ちや悪行で内面を汚してしまうこともあります。しかし、全能の主(swt)は、一瞬一瞬を大切にし、過去を清算し、善良さと公正さをもって未来を計画するよう私たちに助言しておられます。 「信じる者たちよ。あなたがたはアッラーを畏れなさい。明日のためにあらかじめ何をしたか、それぞれ考えなさい」1 という章句を通して、信仰、崇拝、 そして善良な道徳をもって永遠の世界に備え、過ちや罪を悔い改めるよう私たちに命じておられます。
親愛なるムスリムの皆様！
全能の主(swt)がしもべたちに授けた祝福のひとつは、悔い改めという恩寵です。悔い改めとは、人類の始まりにまでさかのぼる崇拝のあり方です。預言者アーダム以降のすべての預言者たちが、自らも悔い改め、またウンマに対しても悔い改めるよう呼びかけました。悔い改めとは、後悔し、自らの本質や本来の性質に立ち返ることです。しもべが主(swt)に向かい、赦しを求めることです。全能のアッラー(swt)は、
وَتُوبُٓوا اِلَى اللّٰهِ جَم۪يعاً اَيُّهَ الْمُؤْمِنُونَ لَعَلَّكُمْ تُفْلِحُونَ「信仰者たちよ、皆そろって悔い改め、アッラーに立ち返りなさい。そうすれば、あなたがたは栄えるだろう」2 という章句を通して、悔い改めるよう私たちを招いておられます。ですから、聖なる３か月が始まり、祝福された空気に包まれるこの日々を、悔い改めと自省をもって過ごしましょう。同じ過ちは繰り返さないよう決心しましょう。
尊敬すべき信仰者の皆様！
奉仕の義務を怠ったのであれば、崇高な宗教であるイスラームの命じるところに従い、主(swt)に悔い改めましょう。時間通りに行えなかった礼拝があるなら、できる限り早く終わらせるようにしましょう。
وَاعْبُدْ رَبَّكَ حَتّٰى يَأْتِيَكَ الْيَق۪ينُ 「あなたの主に仕えなさい、確信すべきものが訪れるまで」3 という警告を、決して忘れないようにしましょう。
陰口やうわさ話、侮辱といった悪行で舌を汚したなら、ごう慢さや尊大さ、嫉妬などの悪行で心を汚したなら、飲酒や賭け事、利子などのハラームに手を染め、他者や公衆の権利を侵害したなら、賄賂や買いだめ、闇市場などの罪を通じて不当な利益を得たなら、時を無駄に待つことなく悔い改めましょう。
親族との縁を断ち切ったり、隣人に迷惑をかけたり、母のない子や父のない子、弱者の権利を侵害したり、通りや職場、市場で刺々しい言葉や暴力に及んだなら、ただちに悔い改めましょう。
親愛なるムスリムの皆様！
私たちがどれほど多くの罪を重ねても、主(swt)の慈悲は宇宙全体を包みます。悔い改めの扉は常に大きく開かれています。アッラーの使徒(saw)は、あるハディースの中でこう語っています。「アーダムの子孫は皆、罪を犯す。罪を犯す者のうち、もっとも良い者とは、悔い改める者である」。4
今週の金曜礼拝のホトバを、アン＝ニサー章の次の章句をもって終わります。「アッラーに受け入れられる悔い改めとは、ただ無知であったために悪を行い、そののちすぐに悔い改める者のものだけ。これらの者について、アッラーはその悔い改めを受け入れる。アッラーは、すべてを知っており賢明である」。5
[1] Hashr, 59/18.
[2] Nur, 24/31.
[3] Hijr, 15/99.
[4] Ibn Majah, Zuhd, 30.
[5] Nisa, 4/17.
