東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 舌:楽園または地獄への入り口について
親愛なるムスリムの皆様!
ある日、預言者ムハンマド(saw)が、尊敬すべき教友のひとりであるムアーズ・イブン・ジャバルに「あなたの宗教を完成させ、完璧にするものが何かを教えようか」と語りかけました。それから彼は、自分の祝福された舌を手で押さえ、「これを慎むことだ」と語りました。これを聞いて、ムアーズはこう尋ねました。「アッラーの使徒よ! 私たちも、自分の発言に対する責任を負わされるのでしょうか」。アッラーの使徒(saw)は、私たち全員が深く心に留めておくべき答えを返しました。「自分の舌によって得たものが、人を地獄に引きずり込むのではないか?」1
親愛なる信仰者の皆様!
舌が発する言葉は、人を天国にも地獄にも導きます。温かな家庭を築き、平安と幸福をもたらす言葉もあります。一方で、家庭を壊し、消えることのない深い傷を残す言葉もあります。心と心の橋渡しとなり、親を亡くした子に笑顔をもたらしたり、困っている人に安らぎを与えたりする言葉もあります。一方で、苦しみとなって燃え上がり、眠れない夜をもたらす言葉もあります。希望を失った心のなぐさめとなり、有害な習慣に捕らわれた命を救う言葉もあれば、逆に人を罪へと引きずり込み、アッラーの慈悲と慈愛を奪う言葉もあります。
尊敬すべきムスリムの皆様!
舌が犯すもっとも重大な悪とは、アッラーの存在と唯一性を否定し、シルクに陥り、真実を捨てて嘘に頼ることです。罪のない人を中傷し、うわさ話で限られた時間を無駄にし、陰口で不和をまき散らすことは、舌の道徳が失われる兆しです。誰かの尊厳と名誉を侮辱したり、攻撃したりすることは、舌の堕落です。 مَنْ كَانَ يُؤْمِنُ بِا للّٰهِ وَالْيَوْمِ الْآخِرِ فَلْيَقُلْ خَيْرًا أَوْ لِيَصْمُتْ 「誰であれ、アッラーと終末の日を信じる者は、善いことを語るか、沈黙すべきである。」2 預言者ムハンマド(saw)はそう語り、私たちに言葉を慎むよう命じています。
尊敬すべき信仰者の皆様!
舌の悪は、実生活に限ったことではありません。舌はデジタルプラットフォームにおいても多くの罪や禁止されている物事につながる可能性があります。嘘や中傷、嘲り、冒涜的な発言は、現実世界でもハラームであるのと同様に、仮想環境であろうと罪深いことです。他人に疑いをかけたり、疎外したり、標的にしたり、尊厳や名誉を傷つける言葉は、現実世界でもオンライン上でも誰かの権利の侵害です。確信のない情報を共有することは社会生活における重大な罪であり、情報を共有する場がデジタルプラットフォームであろうと変わりはありません。
親愛なるムスリムの皆様!
ホトバの始めに朗読した章句において、全能のアッラーは「何か言葉も口にするたび、そのそばで見守る者が[記録の]用意をしている」3 と告げておられます。ですから、口から発する言葉すべてに注意を払いましょう。人と人との愛情や思いやりの絆を断ち切ったり、憎しみや敵意を引き起こしたりする発言は避けましょう。家族や隣人、親戚、職場や訪問先といった生活のあらゆる場面において、自分の言葉が誰かを傷つけることのないようにしましょう。他の誰かの安心につながる行動と言葉を持つムスリムになれるよう努力しましょう。自分の言葉にイスラームの美しさを持たせましょう。اَلْكَلِمَةُ الطَّيِّبَةُ صَدَقَةٌ 「善い言葉はサダカである」4 という、預言者ムハンマド(saw)の教えを導きの指針としましょう。私たちの言葉が人の心を生き返らせ、魂に喜びをもたらし、悩める精神に平安をもたらしますように。
[1] Tirmidhi, Iman, 8.
[2] Bukhari, Riqaq, 23;
[3] Qaf, 50/18.
[4] Bukhari, Jihad, 128
Prayer | Time |
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Fajr | 04:03 |
Sunrise | 05:29 |
Dhuhr | 11:45 |
Asr | 16:13 |
Maghrib | 18:02 |
Isha | 19:23 |