東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「プライバシーが尊厳をもたらすことについて」
親愛なるムスリムの皆様!
すべての人は、生まれながらにして基本的な権利を持っており、それは他の誰にも奪うことのできないものです。そうした権利のひとつがプライバシーです。全能のアッラーによって純粋な自然の状態で創造された人間の身体は、個人のプライバシーの不可侵の側面です。家庭や職場も、個人のプライバシーの部分であり、許可や、法的な正当性のない限り誰も立ち入ることのできない私的な空間です。個人情報もまたプライバシーの根幹を成すものであり、明確な同意なしに他人の情報にアクセスしたり、開示したりする権利は誰にもありません。善良な価値観が育まれる家庭は、個人と社会のプライバシーの礎であり、その尊厳を損ねる権利は誰にもありません。
尊敬すべきムスリムの皆様!
全能のアッラーは、配偶者間のプライバシーについて、هُنَّ لِبَاسٌ لَكُمْ وَاَنْتُمْ لِبَاسٌ لَهُنَّۜ 「彼女たちはあなたがたの衣、またあなたがたも彼女たちの衣」1 と告げておられます。本当に、家族内の男女は信頼できる相談相手であり、お互いの欠点の盾となり、お互いの秘密を守ります。ムスリムは配偶者や子どものプライバシーを守り、どのような理由があろうと、デジタルメディアを含むあらゆる場面での共有を控えなくてはなりません。この点に関して、私たちの預言者(saw)の警告は非常に明確です。
「審判の日、アッラーが数え上げる最大の責任のひとつは、妻のプライバシーを漏らす男性についてである。」2 これについて、全能の主は「信じる者たちのあいだで不品行が広まるのを好む者には、現世においても来世においても痛烈な懲罰があるだろう」3 と告げておられます。
親愛なるムスリムの皆様!
残念ながら、家の扉に鍵をかけ、カーテンを閉めていた時代から、家族どころか見知らぬ人のプライベートな事柄までも自由に共有する時代へと移り変わりました。このような時代においては、誰もがより警戒し、より慎重に責任を果たすことが不可欠です。年齢に応じた指導と模範的な行動を通じて、誰もが子どもたちにプライバシーの重要性を教えなくてはなりません。ソーシャルメディアで注目を集めたり、フォロワーを増やしたり、金銭的な利益を得たりするためだけにプライバシーを侵害するコンテンツを共有することは避けるべきです。他人の私生活を詮索したり、無用なコメントをしたりすることは控えるべきです。プライバシーを無視してデジタルメディアに時間を費やすことは、現世と来世の両方に害を及ぼす可能性があることを心に留めておくべきでしょう。
今週の金曜礼拝のホトバを、アッラーの使徒(saw)のハディースをもって終わります。「……ムスリムを中傷したり、彼らの私的な事柄を探ったりしてはならない。ムスリム同胞の粗探しをする者は、アッラーに欠点を暴かれるだろう。……」4
[1] Baqarah, 2/187.
[2] Muslim, Nikah, 124.
[3] Nur, 24/19.
[4] Tirmidhi, Birr, 85.
Prayer | Time |
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Fajr | 04:55 |
Sunrise | 06:20 |
Dhuhr | 11:54 |
Asr | 15:49 |
Maghrib | 17:29 |
Isha | 18:50 |