東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「ラマダーン、善良さの月」
尊敬すべきムスリムの皆様!
預言者(saw)がマディーナに移住すると、イスラームを学ぶために、多くの人びとがこの祝福された都市を訪れるようになりました。その一人がナウワースです。彼は非常に若いうちにイスラームの栄誉を授かりました。ある日、ナウワース(ra)は愛すべき預言者(saw)に、善と悪の本質について尋ねました。 アッラーの使徒(saw)は、次のような賢明な回答を彼に与えました。「公正さとは善良な人格のことであり、罪とは良心を蝕む、他人には知られたくないことである。」
尊敬すべきムスリムの皆様!
私たちは、誰もが自分の手、言葉、財産、知識、職業、経験を通して、いつでもそれぞれに善行をなすことができます。善良さとは、時には孝行する子ども、誠実な配偶者、愛情深い両親、あるいは笑顔と優しい言葉で他の人に挨拶する人であることを意味します。また、善良さとは、時には年齢の分け隔てなく誰にでも挨拶し、親切であることを意味します。それは、時間を割いて相手の幸福を気にかけ、訊ねることです。子どもには愛情を、年配の人には敬意を示すことです。すべての生き物に慈悲を示すことであり、自分の手や言葉によって誰かを傷つけないようにすることです。
尊敬すべき信仰者の皆様!
残念なことに、私たちは善良さが失われ、悪が奨励される時代を生きています。善良さに欠ける人びとが原因となって、戦争、怒り、憎しみ、敵意、そして暴力が日々、この世界では増え続けています。イスラームの土地、特にガザでは、悪を糧とする抑圧者たちが罪なき人びとを虐殺し続けています。彼らは、私たちの兄弟姉妹のもっとも基本的な必要さえ否定しているのです。私たちに課された責任とは、より多くの善行をなすことであり、以下の章句、وَتَعَاوَنُوا عَلَى الْبِرِّ وَالتَّقْوٰىۖ 「高潔と篤信をもって助け合いなさい」2 をもって勧められているとおり、 抑圧されている人びとを、抑圧者の自制心任せにしないことです。抑圧者を支持する人びとが売る製品を、私たちの食卓、家庭、職場から、つまり私たちの生活全体から遠ざけることです。
親愛なるムスリムの皆様!
善良さには、変革をもたらす力があります。全能の主は、 「善と悪とは等しくない。より良いものをもって返しなさい。そうすれば、見なさい。あなたとのあいだに敵意のあった者でも、親しい友のようになるだろう」3 と告げておられます。アッラーの使徒(saw)も、إِنَّ اللّٰهَ كَتَبَ الْإِحْسَانَ عَلَى كُلِّ شَيْءٍ 「本当にアッラーは、すべての物事において善良であることを命じた」4 と語っています。ですから、まずは家族に対する善行から始めましょう。善良さによって家庭に祝福をもたらしましょう。子どもたちの心に、善良さの種を蒔きましょう。罪に耽り、悪に巻き込まれ、人生の希望を失ってしまった私たちの兄弟、姉妹に、善良さの手を差し伸べましょう。私たちの人生が豊かになるよう、善いことをしましょう。私たちの世界が変わるよう、善いことをしましょう。ラマダーン月にも、そうでない月にも、常に私たちの持てるものが善良であり、その報奨が楽園でありますように。
本日の金曜礼拝のホトバを、預言者(saw)の次の祈りをもって終わります。「アッラーよ! 私の生が、善行を積むための手立てでありますように。そして死が、あらゆる悪からの休息となりますように。」5
[1] Muslim, Birr, 15.
[2] Ma’idah, 5/2.
[3] Fussilat, 41/34.
[4] Tirmidhi, Diyat, 14.
[5] Muslim, Dhikr, 71.
Prayer | Time |
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Fajr | 04:29 |
Sunrise | 05:54 |
Dhuhr | 11:50 |
Asr | 16:03 |
Maghrib | 17:47 |
Isha | 19:07 |