東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「他者の権利の侵害は火の衣をまとうようなものであること」
尊敬すべきムスリムの皆様!
ある日、預言者(saw)が教友たちに尋ねました。「破産者とは誰のことか、知っていますか」。教友たちはこう答えました。「破産者とは、富も財も失った者のことです」。すると、アッラーの使徒(saw)は次のように語りました。「私の民における破産者とは、礼拝、斎戒、そしてザカートを持って審判の日に臨む者です。しかしこの者は他の誰かを侮辱したり、また誰かを中傷したり、他人の財を不当に浪費し、またある者の血を流し、またある者を殴ったりした。そのためその者の善行は、自分が不当に扱った者たちに与えられ、それでも足りなければ引き換えに彼らの悪行を背負うことになり、こうして地獄の業火に投げ込まれることになるでしょう。それが、真の破産者です」。1
親愛なる信仰者の皆様!
家庭、社会、そして世界中で起こっているあらゆる悪の根源は、人権の侵害にあります。悲しいことに、人権は時には習慣によって、また時には怠慢や不注意によって、そして時には故意によって侵害されます。生命、宗教、財産、思想、そして子孫の保護は、イスラームにおけるもっとも根本的な原則のひとつです。これらはアッラーの御前における神聖かつ不可侵の権利です。そしてこれらの権利を侵害することの責任は重大であり、甚大な不正であり、他者の権利に対する侵犯にあたります。
親愛なる信仰者の皆様!
全能の主によって定められた相続上の取り分を、双方の同意なくして変更することは神の正義に反しています。娘たちから相続すべき財産を奪うことも、また娘たちがアッラーによって定められている正当な相続分の受け取りを拒否することは人権侵害に相当します。土地の境界を侵害し、他人の財産を奪い、根拠のない口実で他人の所有物を没収し、虚偽の発言で他人に不当な扱いをすることは、火の衣をまとうようなものです。ホトバの冒頭で朗読したハディースにもあるように、アッラーの使徒(saw)は次のように語っています。「不当に土地を奪うことを避けなさい。不当に他人の土地を奪う者は、復活の日、七つの大地によってその首を絞めつけられるであろう」。2
親愛なる信仰者の皆様!
虚偽や誤解を招く情報をソーシャルメディアやデジタルプラットフォーム上に拡散し、他人を中傷し、名誉を傷つけることも人権侵害であり、罪にあたります。ムスリムにふさわしいのは、ハラールに満足すること、ハラームを頼らないことであり、それは誰かの名誉や尊厳を軽視する発言を慎むこと、他人の財産を欲しがらないことを意味します。
親愛なるムスリムの皆様!
人権の意識は家庭に始まります。それは適切な教育と、精神的な自覚をとおして根付いてゆくものです。他者の権利を侵害することは、審判の日におけるもっとも重大な罰のひとつとなることを忘れないようにしましょう。権利の正当な持ち主の許しを求めることもせず、物質的・精神的な損害を補償することもなくして、来世における厳しい懲罰から逃れることはできません。
今週の金曜礼拝のホトバを、アル=バカラ章281節の意味をもって締めくくります。「アッラーに召されるその日を畏れなさい。そののち各人は、得てきたものに応じて十分に報いられ、不正に扱われることはない。」3
東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「他者の権利の侵害は火の衣をまとうようなものであること」 PDF
とうきょうジャーミイ きんようれいはい の ホトバ 「たしゃ の けんり の しんがい は ひ の ころも を まとう ような もの で あること」PDF
| Prayer | Time |
|---|---|
| Fajr | 04:33 |
| Sunrise | 05:59 |
| Dhuhr | 11:25 |
| Asr | 15:11 |
| Maghrib | 16:50 |
| Isha | 18:11 |




