東京ジャーミイ金曜礼拝のホトバ 「世界への慈悲、預言者ムハンマド (saw)」
尊敬すべきムスリムの皆様!
人類は、私たちの預言者(saw)を通して慈悲を知りました。抑圧と暗闇に支配された時代、慈悲の預言者(saw)は太陽のように昇りました。وَمَٓا اَرْسَلْنَاكَ اِلَّا رَحْمَةً لِلْعَالَم۪ينَ۟「そしてわれらがあなた[ムハンマド]を遣わしたのは、ただ諸世界への慈悲のために他ならない」1 という全能のアッラーのご命令に従い、彼は憎しみと恨み、敵意を、愛と思いやり、そして慈悲へと変えました。恐れて震えながら話しかけてきた人には、こう言いました―「大丈夫、落ち着いてください。本当に私は、干した肉を食べる女性から生まれた息子に過ぎないのですから。」2 こうして、人びとに謙虚さを教えたのです。
預言者(saw)によって、家族にはやすらぎがもたらされました。全能のアッラーのご命令に従い、彼は愛と慈悲、親しみと優しさ、信頼と誠実をもって家族を築きました。家族の誰に対しても、冷たく当たることも、厳しい言葉を吐くことも、傷つけることも決してありませんでした。「心に留めなさい! あなたが自分の妻に対して権利を持っているように、あなたの妻もあなたに対して権利を持っているのです」3 と告げることで、疎外され、軽んじられ、人権も社会的な権利も奪われていた女性たちに、本来の価値を取り戻させました。
尊敬すべきムスリムの皆様!
預言者(saw)によって、子どもたちは愛を知りました。アッラーの使徒(saw)は、かつて恥とされ、生き埋めにさえされていた少女たちを守り、世話し、育て、正しく導いた者には楽園が約束されていると吉報を伝えました 。4
預言者(saw)によって、若者たちは価値ある存在とされました。アッラーの使徒(saw)は、常に若者たちを信頼しました。彼らの意見を尊重し、自信と自覚を与え、それぞれの性格と能力に応じて責任を託したのです。
親愛なる信仰者の皆様!
預言者(saw)によって、年長者は敬われる存在となりました。高貴な預言者(saw)は、こう語っています。「年長者を、その年齢ゆえに敬う人。その人が年老いたとき、アッラーは、その人を敬う者を備えてくださる」5 。こうして、年長者への気遣いと優しさ、そして親切を教えられました。
預言者(saw)によって、親を失った子どもたちも、虐げられた人びとも喜びを見出しました。アッラーの使徒(saw)は、人差し指と中指を合わせて示しながら、こう語りました。「親をなくした子を世話する者は、このように――私と共に楽園にいるでしょう」6。 こうして、親を失った子どもを守り、その権利を大切にする者は、楽園で預言者(saw)にもっとも近い者になる、と吉報を告げられたのです。
尊敬すべきムスリムの皆様!
ホトバの冒頭で朗読したハディースの中で、アラーの使徒(saw)はこう述べておられます。「自分の両親、子ども、そしてすべての人びとよりも、私を愛するようにならない限り――あなたがたのうち誰ひとりとして、本当に信仰しているとはいえない」7。 実に、私たちの偉大な先人たちは、アッラーの使徒(saw)を自分の命よりも大切にしていました。今日、私たちに課せられているのは、アッラーの使徒(saw)への愛で心を結び、彼がもたらした慈悲の風によって魂をひとつにし、絆と連帯への呼びかけに応えて、真の兄弟姉妹となることです。
今週のホトバを、預言者(saw)の次の忠告をもって終わります。「互いに妬んではならない。互いに背を向けてはならない。互いに憎しみや恨みを抱いてはならない。アッラーのしもべたちよ、同胞でありなさい!」8
[1] Anbiya, 21/107.
[2] Ibn Majah, At’imah, 30.
[3] Tirmidhi, Rada’, 11.
[4] Abu Dawud, Adab, 120-121; Ibn Hanbal, III, 96.
[5] Tirmidhi, Birr, 75.
[6] Bukhari, Talaq, 25.
[7] Bukhari, Iman, 8.
[8] Bukhari, Adab, 57.
Prayer | Time |
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Fajr | 04:07 |
Sunrise | 05:32 |
Dhuhr | 11:32 |
Asr | 15:49 |
Maghrib | 17:32 |
Isha | 18:52 |