東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「私たちの預言者と家族間の倫理」
尊敬すべきムスリムの皆様!
ホトバの冒頭に朗読したのは、全能の主が告げられた次の章句です。 「あなたがたのために、あなたがた自身の中からその伴侶を創造し、憩いを得るようにし、あなたがたのあいだに親愛と慈悲をあらしめたことも御しるしのひとつ。本当にその中には、省みる民への御しるしがある。」1 この御言葉が示すように、家族とは、愛と尊敬、思いやりと慈悲の聖域なのです。
親愛なる信仰者の皆様!
私たちは、預言者(saw)から家族生活の倫理の美しさと気高さを学びました。アッラーの使徒(saw)は、家族に対して常に優しく親切でした。その言葉も行いも、すべてが優しさに満ちていました。家族の誰かの心を傷つけたり、厳しい言葉を投げかけたりすることは決してありませんでした。アッラーの使徒(saw)は、公然と妻ハディージャへの愛を語り、こう言われました。「私は彼女の愛によって支えられていたのです。」2 さらに「アッラーのお喜びを求めて家族のために費やしたあらゆるものは、必ずや報われるだろう」3 とのハディースを通して、家族のために捧げられたすべての犠牲を、アッラーのお喜びを得るための善行とされたのです。
親愛なるムスリムの皆様!
今日、家族という制度は、グローバルなロビー集団や利益集団、そして帝国主義的な勢力によって、歴史上かつてない攻撃にさらされています。こうした悪しき勢力は、家族の絆を弱め、世代からアイデンティティと人格を奪い、その核となる価値観から切り離そうとしています。このような状況において、家族を築き、守り、強めることは、単なる個人の責任ではありません。信仰と良心、そして理性を持つすべての人にとって、宗教的、道徳的、そして人間的な義務なのです。実際に、ホトバの冒頭で朗読したハディースの中で、預言者(saw)はこう語っています。「家族に対する責任を怠ること――それだけで、人にとって十分に罪である。」4
親愛なる信仰者の皆様!
家族の価値観が損なわれている今、私たちには家族の価値を改めて認識する義務があります。家族とは、地上の楽園であり、堅固な砦であり、そして最後の避難所なのです。家族生活においては、アッラーが定められたハラールとハラームの境界を守り、預言者(saw)の模範的な人格に従わねばなりません。全能なる主の、「あなたの家族に礼拝を命じ、あなた自身もよく耐えなさい」5 という御命令に従い、家族の間に崇拝の意識を根付かせることが私たちの義務です。それは、家族の基盤となる結婚を促し、若者に結婚を奨励することです。それは、家族と過ごすべき貴重な時間を、テレビや携帯電話の前で浪費しないことです。それは、家族の対話を活発に保ち、感情的な必要を優先することです。そしてそれは、子どもたちから家族の温かさや愛情、そして関心を奪わないことなのです。
今週のホトバを、アッラーの使徒(saw)の祈りをもって結びます。「アッラー、万物の主よ! 私と家族を、この世と来世において、心からあなたに献身する者の列に加えてください。」6
[1] Rum, 30/21.
[2] Muslim, Fadha’il al-Sahaba, 75.
[3] Bukhari, Jana’iz, 36; Muslim, Zakat, 48.
[4] Abu Dawud, Zakat, 45.
[5] Ta-Ha, 20/132.
[6] Abu Dawud, Witr, 25.
Prayer | Time |
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Fajr | 04:19 |
Sunrise | 05:44 |
Dhuhr | 11:28 |
Asr | 15:31 |
Maghrib | 17:11 |
Isha | 18:31 |