東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「ウンマであることは団結すること」
尊敬すべきムスリムの皆様！
預言者(saw)が語られたように、悲しいことに今日、私たちムスリムは、その数の多さにもかかわらず、激流に流される塵芥のように散り散りになっています。私たちの敵は、獲物に襲いかかる野獣のようにイスラームの地に降り立ちます。私たちの尊厳と気高さは、この世への執着と死への恐怖によって彼らの視界から奪われているのです。全能の主の御命令、وَاعْتَصِمُوا بِحَبْلِ اللّٰهِ جَم۪يعاً وَلَا تَفَرَّقُواۖ 「アッラーの絆に、皆そろってしっかりとすがりなさい。離ればなれになってはならない。……」1 にもかかわらず、私たちは世俗的な利益や個人的な野心に駆り立てられ、日々、互いに離ればなれになっています。この状況は抑圧者たちを勢いづかせるだけであり、残虐な行いをますます強めることになります。
親愛なる信仰者の皆様！
ムハンマドのウンマが同胞愛に基づいて団結し、結束と連帯をもって行動するときにのみ、真の平和は地上に行き渡ります。それは、وَالَّذ۪ينَ اِذَٓا اَصَابَهُمُ الْبَغْيُ هُمْ يَنْتَصِرُونَ 「…抑圧が降りかかるときは、自分たち同士で身を守り合う者」2 との章句が求めるとおり、お互いを助け合うことによってです。この一体感は、「…互いに妬んではならない。互いに恨んではならない。互いに背を向けてはならない。アッラーのしもべたちよ、同胞でありなさい！」3とのハディースが求めるとおり、建物の煉瓦のようにしっかりと結びつき、ひとつの体の一部となって互いの痛みを分かち合うことによってのみ達成できます。それは、اِنَّمَا الْمُؤْمِنُونَ اِخْوَةٌ 「信仰者たちは同胞である。…」4 との章句が求めるとおり、言語、肌の色、人種、宗派、職業の違いを超えて、同胞愛の精神をもって行動することによってのみ可能になります。それは、اِنَّ هٰذِه۪ٓ اُمَّتُكُمْ اُمَّةً وَاحِدَةًۘ وَاَنَا۬ رَبُّكُمْ فَاعْبُدُونِ 「本当に、あなたがたのこの共同体が、あなたがたの唯一の共同体。そしてわれは、あなたがたの主である。それゆえ、われに仕えなさい」5 との章句が求めるとおり、アッラーを主とし、イスラームを宗教とし、預言者ムハンマド(saw)を預言者として受け入れるすべての人を、イスラームという家族の一員として認めることによってのみ可能になります。そしてそれは、「あなたがたは、もっとも良い共同体として人々の中に立ち現れた。あなたがたは親切を勧め、非道を禁じ、アッラーを信じる。…」6 との章句が求めるとおり、善を勧め、悪を禁じることによってのみ可能になるのです。
ですから、ムスリムとして、唯一のアッラーを信じ、同じ預言者に従い、同じ啓典に導かれ、同じキブラに向かうことによって、一体となりましょう。手と心をひとつにするのです。
人類よ！
抑圧は、やがて終わりを迎えます。抑圧された者は必ず救済されます。抑圧した者は、決してその目的を成し遂げることはできません。この場で私は、良心と人道を持つすべての人びとに呼びかけます。少数の殺人者の集まりとその共犯者たちに立ち向かい、尊厳ある対応を示してください。抑圧を承諾すること自体が、抑圧の一形態であることを、忘れてはならないのです。
[1] Ali ‘Imran, 3/103.
[2] Shura, 42/39
[3] Muslim, Birr, 28.
[4] Hujurat, 49/10.
[5] Anbiya, 21/92.
[6] Ali ‘Imran, 3/110.
