東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「忠誠は信仰から生じる」
東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ
2025年11月28日
忠誠は信仰から生じる
尊敬すべきムスリムの皆様！
アッラーのお喜びに至り、この世の幸福をもたらす美徳のひとつに、忠誠心があります。忠誠心とは、愛と敬意、誠実さ、そして無私無欲の証です。それは約束を守り、善行には善行をもって応じることです。あなたが倒れたときに支えとなり、幸福のときにはともに喜び、悲しみのときには涙をぬぐってくれる人々を、決して忘れないことです。
親愛なる信仰者の皆様！
忠誠心のうちで最も高貴なのは、全能のアッラーの命令に従い、その恩恵に感謝し、忍耐強く試練に立ち向かい、「…アッラーに対する自分の約束を果たす者には、やがて大いなる報酬があるだろう」1 との吉報を得ることです。それは、信仰によって心に、知識によって精神に、アッラーを想起することによって意識に、悔い改めによって魂に、そしてクルアーンによって人生に――いずれにも平安をもたらすことです。
尊敬すべきムスリムの皆様！
全能のアッラーへの忠誠に次いで、最も尊いのは預言者(saw)への忠誠です。「あなたがたの中から、まさしくひとりの使徒が到来した。あなたがたの苦悩に胸を痛め、あなたがたを案じている。信仰者に優しく、慈悲深い」2 という章句にあるとおり、私たちをご自分のウンマとして深く思いやってくださるアッラーの使徒(saw)を信頼し、彼とそのアフル・アル＝バイトを愛することは、私たちの忠誠心における大切な義務です。
親愛なる信仰者の皆様！
忠誠心が薄れ、感謝の念が忘れられがちなこの移ろいやすい世において、忠誠を保つことは信仰の大前提です。ハディースにおいても、「約束を守ることで真の忠誠を示すことは、信仰の一部である」3 と示されています。どうか今日、少しの時間を取って、自らの忠誠心を振り返ってみましょう。全能の主が授けてくださった数えきれない祝福に感謝するという義務を、私たちは果たしているでしょうか。両親、配偶者、子どもたち、親戚、そして隣人にとって、心を許せる良い人でいられているでしょうか。病に苦しむ人、困難にある人びとの痛みを和らげ、助けとなれているでしょうか。
そうです、愛すべき兄弟、姉妹の皆様！ 人として、これらの問いに肯定的な答えを返せるよう努めましょう。預言者(saw)の次のハディースをもって、今週の金曜礼拝のホトバを終わります。「信頼を重んじる者の信仰は完成し、約束を守る者の宗教は完成する。」4
[1] Fath, 48/10.
[2] Tawbah, 9/128.
[3] Hakim, Mustadrak, II, 20. (1/16).
[4] Ibn Hanbal, III, 134.
