東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「善行と善良な道徳が信仰を完成させる」

尊敬すべきムスリムの皆様!
朗読した章句の中で、全能の主(スブハーナワタアーラー)は次のように告げておられます。「人々は、「私たちは信じます」と言うだけで、試練にさらされることもなく[安楽の中に]放っておかれると思っているのか」。[i]

また、私たちの愛する預言者(彼の上に祝福と平安あれ)は、ハディースの中で次のように語っています。「どこにいても、アッラーのタクワを持ちなさい。悪行は善行をもって一掃しなさい。人に対しては礼儀正しくしなさい」[ii]

親愛なる信仰者の皆様!
私たちの崇高な宗教であるイスラームは、信仰、善行、善良な道徳の原則のすべてが一体となって完成しています。イスラームは一本の木のようなもので、その根は信仰であり、幹は善行であり、その果実は善良な道徳です。

信仰とは、何よりもまずアッラー(スブハーナワタアーラー)をよく知り、その存在と唯一性を心に刻み、主(スブハーナワタアーラー)と同じか、あるいは似たもの、あるいは並ぶものなど何ひとつ、誰ひとりとして存在しないと認識することです。そして天使、啓典、預言者、審判の日、カダルとカダーを信じ、良いことも悪いこともすべてアッラー(スブハーナワタアーラー)によるものであると信じることです。

親愛なるムスリムの皆様!
善行とは、アッラー(スブハーナワタアーラー)のお喜びを得ることを目的としたあらゆる種類の行いのことです。وَٱعْبُدْ رَبَّكَ حَتَّىٰ يَأْتِيَكَ ٱلْيَقِينُ「あなたの主に仕えなさい、確信すべきものが訪れるまで」[iii]という命令に身を捧げ、アッラー(スブハーナワタアーラー)への奉仕を意識して人生を送ることです。

親愛なる信仰者の皆様!
私たちの信仰は、自分たちの生活のあらゆる部分にイスラームの道徳を反映してこそ完成されます。この点について、アッラーの使徒(彼の上に祝福と平安あれ)はあるハディースを通して إنما بعثت لأتمم مكارم الأخلاق「私は、すぐれた人格を完成させるために遣わされた」[iv] と語っています。慈悲の預言者(彼の上に祝福と平安あれ)のウンマの一員であることを誇りに思う信仰者なら、誰であれ彼を手本にして自分の道徳を磨くでしょう。善意、慈悲、純潔、篤信、謙虚さ、公正さといった美徳を身につけるでしょう。家庭にも、身の回りにも、慈悲と思いやりが広まるよう努めるでしょう。あらゆる種類の暴力、抑圧、傲慢、吝嗇から遠ざかり、他人の権利や公共の権利の侵害を重大な罪とみなすでしょう。

ですから、兄弟、姉妹の皆様!
信仰が人生の導きとなるようにしましょう。私たちの善行が、アッラー(スブハーナワタアーラー)にふさわしいしもべとなるための導きとなりますように。善良な道徳によって、私たちが人々とすべての被造物に対し慈悲と思いやりをもって接することができるようになりますように。

[i] Ankabut 29/2.
[ii] Tirmidhi, Birr, 55.
[iii] Hijr, 15/99.
[iv] Ibn Hanbal, II, 381.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「善行と善良な道徳が信仰を完成させる」.(PDF)

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