東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「家族同士の思いやりとやすらぎについて」

尊敬すべきムスリムの皆様!
私たちの全能の主(スブハーナ ワ タアーラー)は、以下のアーヤにおいて次のように告げておられます。 あなたがたのために、あなたがた自身の中からその伴侶を創造し、憩いを得るようにし、あなたがたのあいだに親愛と慈悲をあらしめたことも御しるしのひとつ。本当にその中には、省みる民への御しるしがある[1]
また、慈悲のみ使い(彼の上に祝福と平安あれ)は、ハディースの中で次のように語っています。「慈愛あまねく御方(アッ=ラフマーン)は、心優しい者に対して慈悲深い。地上にいる者に情けをかければ、天上の御方が情けをかけてくださるだろう」。[2]

親愛なる信仰者の皆様!
全能のアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)は、すべての創造物のうちもっとも価値のある人間を、孤独のままに地上に放置したりせず、「家族」という祝福を授けたまいました。家族とは、魂にやすらぎと静けさ、健やかさをもたらしてくれる存在のことです。私たちの全能の主(スブハーナ ワ タアーラー)に守護され、愛情や親しみ、やさしさによって美しくされたつながりのことです。

親愛なる信仰者の皆様!
家族であるということは、家族を維持していくための価値観をしっかりと受け入れることを意味します。家族を成り立たせるための価値観として、一番に挙げられるのが思いやりです。思いやりとは、私たちの主(スブハーナ ワ タアーラー)のお名前であるアッ=ラフマーンのあらわれであり、創造主のために創造物を愛することを意味します。思いやりとは、誰かを傷つけたり、傷つけられたりしないことを意味します。分かち合い、許し合い、認め合うことを意味します。優しい心を持ち、愛の言葉で話す人になることを意味します。

親愛なる信仰者の皆様!
今日(こんにち)では、良心と思いやりを持てるよう私たちの精神を鍛錬する必要性がますます高まっています。私たちは預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)の次の助言に耳を傾けるべきでしょう。「あなたがたのうちもっとも良い者とは、自分の家族に対してもっとも良くする者のこと。私はあなたがたの中では、自分の家族に対してもっとも良くしている者である」。[3]

[1] Rum, 30/21.
[2] Abu Dawud, Adab, 58.
[3] Tirmidhi, Manaqib, 63.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「家族同士の思いやりとやすらぎについて」.(PDF)