東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「デジタル社会においてゆるぎない価値観を持ち続けること」

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能のアッラーは、次のように告げておられます。「あなたがたのために、あなたがた自身の中からその伴侶を創造し、憩いを得るようにし、あなたがたのあいだに親愛と慈悲をあらしめたことも御しるしのひとつ。本当にその中には、省みる民への御しるしがある」。[i]

また、私たちの愛する預言者(彼の上に祝福と平安あれ)は、ハディースを通して次のように語っています。「結婚は私のスンナである。私のスンナに従わない人は、私とはかかわりがない」。[ii]

親愛なる信仰者の皆様!
私たちの崇高な宗教であるイスラームは、法にかなった結婚を通して家庭を築くよう命じています。公正さ、思いやり、愛情、尊敬、そして信頼といった価値を家族の土台とするよう勧めています。イスラームは、法の違反、慎みのなさ、品のない行為や人を不快にさせる行為を決して許していません。法的な婚姻に基づかない関係を認めていません。

親愛なる信仰者の皆様!
私たちは、目まぐるしく発展していくデジタル社会の時代を生きています。仮想世界に魅了され、本来の価値観を見失うことがあります。オフラインの世界のつながりが薄れるにつれ、人間関係がますます仮想的になります。実際に、スマートフォンの画面やオンライン上のプラットフォームが私たちの親友になることすらあります。そうやって、家族への気配りや愛情、思いやりがおろそかになっていきます。地球の反対側にいる人々とはつながっていながら、同じ食卓を囲む両親や配偶者、子どもたちとは疎遠になるのです。

親愛なるムスリムの皆様!
感情が真実にまさり、人類が人間の本質とは正反対の変化を強いられる現代において、デジタル社会の難しさに対し、市民的・精神的価値に基づく心構えをすることが私たちの義務となります。私たちの預言者(彼の上に祝福と平安あれ)のように、気配り、愛情、思いやり、優しさが家族のあり方として自分たちの家庭にいきわたっていることを確かめなくてはなりません。価値観の教育は家庭に始まることを忘れないようにしましょう。強く平和な家庭は、市民的・精神的価値観を掲げることによってのみ築くことができるのです。

[i] Rum, 30/21.
[ii] Ibn Majah, Nikâh, 1.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「デジタル社会においてゆるぎない価値観を持ち続けること」.(PDF)

とうきょうジャーミイ きんようれいはいのホトバ (ひらがな と カタカナ PDF)