東京ジャーミイ　金曜礼拝のホトバ「慎み深さ：アッラーの命令、人間性の要件」

尊敬すべきムスリムの皆様！
ある日、預言者ムハンマド(saw)は教友たちにこう語りました。اِسْتَحْيُوا مِنَ اللّٰهِ حَقَّ الْحَيَاءِ 「アッラーの御前に慎み深くありなさい。それは当然の務めである」。高潔な教友たちが、「アッラーの使徒よ！　おっしゃる通り、私たちはアッラーの御前に慎み深くあります」と答えると、愛すべき預言者ムハンマド(saw)は彼らに次のような訓戒を与えました。「……アッラーの御前に真に慎み深くあるとは、あらゆる罪とハラールから身体のすべてを守ることです。この世の束の間の享楽に惑わされないことです。死と審判を決して忘れないことです」。¹

親愛なる信仰者の皆様！
慎み深さ（ハヤー）とは、私たちの崇高な宗教であるイスラームが男女を問わずすべてのムスリムに命じている根本的な道徳の原則です。それはナフスによるあらゆる放埓さや行き過ぎた行為を押しとどめる、尊厳ある姿勢のことです。慎み深さは、あらゆる悪から人を守る力強い盾です。それは生き方であり、フィトラ（人の天性）の本質的な側面であり、身体の飾りであり、人生における信仰の反映です。ホトバの冒頭で朗読したハディースの中で、アッラーの使徒はこう語っています。اَلْحَيَاءُ شُعْبَةٌ مِنَ الْإِيمَانِ 「……慎み深さは信仰の一部である」。² この言葉によって、彼は慎み深さの深遠な重要性を強調したのです。

一方、慎みのなさは、道徳観を損ね、人間の名誉と尊厳を踏みにじる災厄です。それはシャイターンのもっとも狡猾な罠のひとつです。実に、全能のアッラーは私たちにこう警告しておられます。「アーダムの子らよ。あなたがたの[原初の]両親が、彼のせいで身にまとうものをはぎ取られ、隠しどころをあらわに示されて楽園を追われたように、あなたがたも悪魔に惑わされてはならない。……」³

親愛なる信仰者の皆様！
医学的な必要があるわけでもなく、単に称賛や模倣のために美容整形手術によって身体の姿形を変えることは、フィトラの歪曲にあたります。アッラーの創造に対する不満の表われであり、シャイターンの欺瞞に陥ったからこその罪深い行為です。実際、アッラーの御前から追放されたとき、シャイターンはこう宣言しています。وَلَاٰمُرَنَّهُمْ فَلَيُغَيِّرُنَّ خَلْقَ اللّٰهِۜ 「……私は必ず[…]彼らに命じ、アッラーの創造をそれ以外のものに変えさせる。……」⁴ さらに、預言者ムハンマド(saw)の言葉によれば、意図が何であれ、タトゥーを入れることはアッラーの慈悲を剥奪されることであり、ハラームにあたります。同様に、私たちの宗教が認めていない服装をまとい、スクリーン上やデジタルプラットフォーム、あるいはメディアなどで、視覚的な、あるいはテキストに起こされたコンテンツを共有することは、あらゆる点で不適切であり、ハラームです。ホトバの冒頭で朗読した尊い章句を通して、全能のアッラーは次のように告げておられます。「信じる者たちのあいだで不品行が広まるのを好む者には、現世においても来世においても痛烈な懲罰があるだろう。あなたがたは知らなくとも、アッラーは知っている。」⁵

親愛なる信仰者の皆様！
慎みと貞潔に関して、アッラーが課した責任は男女ともに同じです。ヌール章の30節と31節において、全能のアッラーは次のように命じておられます。「信仰者の男に、視線を自制して隠しどころを守るよう言いなさい。……」「また信仰者の女に、視線を自制して隠しどころを守るよう言いなさい。外側にあらわれるものの他は、その身の飾りを誇示してはならない。頭布を胸元にかぶせなさい。……」⁶ ですから、私たちの生活におけるその他のあらゆる側面と同じく、服装やプライバシーに関しても、アッラーの命令と預言者ムハンマドのスンナを基準としなくてはなりません。

今週のホトバを、アッラーの使徒(saw)の次の祈りをもって終わります。
اَللَّهُمَّ إِنِّى أَسْأَلُكَ الْهُدَى وَالتُّقَى وَالْعَفَافَ وَالْغِنَى 「アッラーよ。導きと篤信、そして貞潔と心の充足をあなたに求めます」。⁷

[1] Tirmidhi, Sifat al-Qiyamah, 24.
[2] Muslim, Iman, 57.
[3] A’raf, 7/27.
[4] Nisa, 4/119.
[5] Nur, 24/19.
[6] Nur, 24/30-31.
[7] Muslim, Dhikr, 72.

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とうきょうジャーミイ きんようれいはい の ホトバ つつしみぶかさ：アッラー の めいれい、にんげんせい の ようけん」PDF