東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「楽園:信仰者の永遠の館」

金曜礼拝のフトバ

尊敬すべきムスリムの皆様!
私たちが住むこの世界はつかの間のものであり、この世の生は儚いものです。やがて人生は終わりを迎え、与えられた時間が終わりを告げます。すべてが終わりに近づくその瞬間、永遠の来世の夜明けが始まります。一人ひとりの魂を、2つの究極の目的地が待ち受けています。無限の祝福で飾られた天国か、苦しみの領域である地獄です。信仰者としてのこの世での最大の願いと望みは、アッラー(swt)のお喜びを得て、天国、すなわち報奨の地に入ることです。

親愛なる信仰者の皆様!
天国は平和な安息の地であり、そこでは、誰も見たことも聞いたこともない、想像を絶する祝福が信仰者たちに与えられます。この世の試練や苦難に耐え忍ぶ人びとを待つ安らぎの場所です。預言者(saw)をはじめ、アッラー(swt)の献身的なしもべたち、殉教者たち、行い正しい人たちと再会する幸福の住まいです。

親愛なるムスリムの皆様!
ホトバの最初に朗読した章句において、全能の主(swt)は次のように告げておられます。「信じて正しい行いをする者たちには、楽園のフィルダウスがそのもてなしとなる。永遠に、その中に住まうだろう。彼らは、そこからどこへも移りたがらないだろう。」1 本当に、天国こそは主(swt)が私たち信仰者に約束してくださったものです。「アッラーを主とし、イスラームを宗教とし、ムハンマドを使徒とすることに喜ぶ者には、楽園が保証される」という預言者(saw)の言葉にあるとおり、崇拝によって信仰を、善良な道徳によって人生を飾る人は、アッラー(swt)の慈悲により天国へ行くことでしょう。2 どのような事態や状況においても真実を掲げ、約束を守り、委ねられたものを尊重し、純潔を守り、ハラームを避け、悪行から距離を置く信仰者には、天国で祝福が与えられるでしょう。怒りではなく愛を、敵意ではなく平和を、悪ではなく善を優先させ、抑圧者に対しては常に抑圧された人びとの側に立つ信仰者は、天国で歓迎されるでしょう。寛大さによって貧しい人びとに喜びをもたらし、寛容さによって傷ついた心をいやし、優しい言葉とあたたかな笑顔で周囲の人びとに平和を広める信仰者は、天国の祝福をもって飾られるものと定められているのです。

親愛なるムスリムの皆様!
アルハムドゥリッラー、天国があるのと同様に、人生における試練や困難には目的と意味があり、決して無駄なものではありません。天国があるのと同様に、あらゆる試練には尽きない神聖な報奨が約束されています。つかの間のこの世で涙を流した者には、永遠の笑顔が待っています。天国に入る人びとは幸いであり、主(swt)は彼らにお喜びになり、彼らもまた主(swt)と共に喜ぶでしょう。主(swt)が禁じたことを固く遠ざける者のために用意された果てしない楽園に向かって急ぐ者は幸いです。

本日のホトバを、アッラーの使徒(saw) の祈りをもって終わります。「アッラーよ。言葉と行いによって近づける楽園をあなたにこい願います。」3

[1] Kahf, 18/107, 108.
[2] Muslim, Imarah, 116.
[3] Ibn Majah, Du’a, 4.


Friday Khutba of Tokyo Camii “Heaven: The Eternal Home For The Believers”