東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「家族:平安と信頼の源」

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能の主(swt)は、地上でもっとも価値ある存在として男女を創造し、それぞれに異なる資質を授けることによって伴侶とされました。人生の重荷を共に担い、お互いに平安を見出せるよう、主(swt)は家族になるという祝福を私たちに授けてくださいました。

家族とは、人間の孤独に対する盾のはたらきをし、アッラーの慈悲によって守られ、世代が続いていくことを保証するすぐれた営みです。私たちの信仰、人格、生き方を形作るもっともすぐれた屋根であり、子どもたちとともに成長し、生い茂り、若い世代とともに未来に根をおろす、すずかけの木です。

親愛なるムスリムの皆様!
私たちは、家族を標的とする攻撃が増え、フィトラに対する破壊が急速に広がっている時代を生きています。家族が、自由を阻む障害であるかのように描かれる環境の中にいます。責任を負わずに一人で生きる方が魅力的であると奨励される時代を生きています。しかし、家族を築くということは人間に備わった本質です。私たちは、一人で生きるようにではなく、家族として幸福に生きていくように創造されました。家族が平安に満ち、絆が強くあるよう願うことが私たちの本質です。だからこそ私たちの唯一の模範である預言者(saw)は、家族を築き、家族に善くするよう勧め、「あなたがたのうちもっともすぐれた人とは、家族に対してもっとも良くしている人である。私はあなたがたの中でも、自分の家族にもっとも良くしている」1 と語っています。家族というかけがえのない祝福を私たちに与えてくださったアッラー(swt)は、「信じる者たちよ。あなたがたは自分自身と身内の者たちを、人間と石とを燃料とする業火から守りなさい」2 と告げて、私たちに家族を守るよう命じておられます。

親愛なるムスリムの皆様!
家族を持つことで得られる平和を、皆で楽しみましょう。それは、主(swt)が私たちに、聖なる祝福をゆたかに授かるための機会として与えてくださったものです。アッラーのご命令と、私たちの安全な避難所である家族をよりどころとし、フィトラを乱そうとする危険から私たちの身を守りましょう。個人的な利益や目先の快楽、歪んだ主義主張のために、家族を犠牲にすることのないようにしましょう。抑圧されている地域では、生きるために家族が戦っています。ガザで引き裂かれている何千もの家族のために祈ることを忘れないようにしましょう。
本日のホトバを、聖クルアーンで教えられている次の祈りをもって終わります。「主よ。私と私の両親へのあなたからの恩寵に、感謝させてください。あなたの喜びにあずかるために、私を行い正しい人[として認められる者]にしてください。また私の子孫も正しい人[として認められる者]であれるようにしてください。本当に、私はあなたに悔い改める、服従する者[ムスリム]のひとりです。」3

[1] Tirmidhi, Manaqib, 63.
[2] Tahrim, 66/6.
[3] Ahqaf, 46/15.


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