東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「ようこそ、ラマダーンの月!」

親愛なる信仰者の皆様!
ラマダーンはクルアーンの月です。私たちの神聖な書である聖クルアーンが、預言者ムハンマド(saw)に啓示される始まりの月です。ラマダーンは、時間と空間、そしてすべての人びとを啓示の光が照らす月です。私たちの主(swt)は、アル=バカラ章において次のように告げておられます。「ラマダーン月は、人々の導きとして、また導きの明白な証と規範としてクルアーンが下された月。」1 ラマダーンにはクルアーンを朗読し、その知恵を自らの生活に取り入れることが求められます。

愛なるムスリムの皆様!
ラマダーンは斎戒の月です。斎戒は心身両面を養い、一方で健やかさを、もう一方で平安をもたらすという独特の崇拝のあり方です。斎戒は悪に対する盾のはたらきをします。私たちの預言者(saw)は、「あなたがたのうち誰かが斎戒をする日は、品のない言葉を発したり、声を荒げたりしてはならない。誰かが罵ったり、争おうとしたりしても、『私は斎戒をしている』と答えるようにしなければならない」2 と語っています。ラマダーンは完全な斎戒に招いており、それは私たちを、身体的にだけではなく、あらゆるかたちでの悪や罪から浄めます。

親愛なる信仰者の皆様!
ラマダーンは、助け合いと連帯が最高潮に達する月です。つかの間のこの世における所有物を、ザカート、サダカなど、あらゆるかたちでのインファークを通して、あの世のための終わりなき報酬に変える祝福された月です。私たちの主は、وَمَٓا اَنْفَقْتُمْ مِنْ شَيْءٍ فَهُوَ يُخْلِفُهُۚ  「あなたがたが[善のために]費やしたものは、何であれかの御方が補うだろう」3 と告げておられます。ラマダーンは、私たちが持っているものを分かち合い、持たざる人びとに寄り添い、親をなくした子どもたちに笑顔をもたらすよう私たちを招いています。

親愛なるムスリムの皆様!
ラマダーンは、同胞愛、団結、連帯の絆が深まる月です。ですがラマダーン・アル=シャリーフの興奮を感じているこの日々にも、アル=クッズは今なお悲しみに暮れ、ガザには依然として流血の叫びが響き、東トルキスタンでは迫害が続いているとは、何という辛さでしょう。世界じゅうのムスリムにとり、サフールの平安とイフタールの喜びは、いまだ手の届かないところにあります。慈悲の月であるラマダーンは、迫害に直面している兄弟、姉妹に手を差し伸べ、物心両面での持てるものすべてをもって彼らを支援するよう求めています。
本日のホトバを、預言者(saw)の次のハディースをもって終わります。「アッラーはあなたがたに、ラマダーンの斎戒を命じた。そして私はあなたがたに、その夜を祈って過ごすことをスンナとした。誰であれ信仰と、報酬への希望をもって斎戒をし、その夜を祈りに費やす者は、母から産まれ出るときのように、罪から立ち現れるだろう。」4

[1] Baqarah, 2/185.
[2] Bukhari, Sawm, 2.
[3] Saba, 34/39.
[4] Nasa’i, Siyam, 40.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「ようこそ、ラマダーンの月!」

とうきょう ジャーミイ きんよう れいはい の ホトバ 「ようこそ、ラマダーン の つき!」