東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「ライラト・アル=カドル:一生に値する夜」

親愛なるムスリムの皆様!
私たちは、聖なるラマダーン月の最後の日々を迎えています。イード・アル=フィトルの平安が訪れるまで、あと数日しか残されていません。それは、私たちを地獄の苦しみから救ってくれる日々です。世俗のものごとから身を慎み、すべての時間を礼拝に捧げるイイティカーフの日々であり、困難を抱えている人びとにイードの喜びを届けるサダカ・アル=フィトルの日々です。それは、千の月にもまさるライラト・アル=カドルが隠されている日々です。この夜の価値について、全能の主(swt)はアル=カドル章において次のように知らせておられます。「われらは、それ[クルアーン]をカドルの夜に下した。カドルの夜とは何であるかを、あなたがたに分からせるのは何か。カドルの夜は、千の月よりもはるかに良いもの。その中を、主の思し召しにより天使が、精霊が、すべての命令をたずさえて降臨する。これこそは平安[の夜]、夜の明けるまで。」1

親愛なる信仰者の皆様!
アッラーの使徒(saw)は、あるハディースにおいて「報酬を望み、信仰をもってカドルの夜を祈りによって過ごす者は、過去の罪を赦されるだろう」2 と語っています。ですから、この夜を自らの転機としましょう。この夜を意義あるものとする聖クルアーンの慈悲に満ちたメッセージを、自らの心、意識、暮らしの中に反映させましょう。愛すべき預言者(saw)がアーイシャ(ra)に教えた、
اَللّٰهُمَّ إِنَّكَ عَفُوٌّ كَرِيمٌ تُحِبُّ الْعَفْوَ فَاعْفُ عَنّ۪ي 「アッラーよ、あなたはもっとも赦すお方。ですから、私を赦してください」3 という祈りと共に、主の限りない慈悲に逃れましょう。自らの罪を悔い改め、赦しを願いましょう。そのとき私たちの心はやすらぐでしょう。列をなして降臨し続ける天使たちの前に、私たちの魂は平安を見出すでしょう。

親愛なるムスリムの皆様!
ラマダーンの最後の日々に、私たちが果たさなくてはならない崇拝のひとつにサダカ・アル=フィトルがあります。ですから、私たちのフィトラを困難にある兄弟、姉妹たちに届ける努力をしましょう。親をなくした子どもたちのことをないがしろにしたり、忘れたりしないようにしましょう。彼らが楽しいイードを過ごせるよう尽くしましょう。何であれ私たちが慈善や善行に費やしたものは、アッラー(swt)がより良いものと取り替えてくださるということを忘れないようにしましょう。
この場を借りてライラト・アル=カドルのお祝いをお伝えすると共に、ひとつたりとも赦されざる罪を残すことなく、絆と連帯、健やかさ、平安と幸福の中でイードの朝を迎えられるよう、全能のアッラー(swt)に祈ります。

[1] Qadr, 97/1-5.
[2] Bukhari, Sawm, 6.
[3] Tirmidhi, Da‘awat, 84.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「ライラト・アル=カドル:一生に値する夜」