東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「宗教とは誠実さであり、その悪用は裏切りである」

「宗教とは誠実さであり、その悪用は裏切りである」

尊敬すべきムスリムの皆様!
私たちの宗教、イスラームの本質は誠実さにあります。誠実さとは、自分の内面と外面、言葉と心が一致していることです。誠実さとは、自らの言葉や行いのすべてにおいてアッラー(スブハーナ ワ タアーラー)のお喜びを求めることです。自らの信仰と崇拝行為を、あらゆる偽善や虚栄から守ることです。
信仰を完成させるのは誠実さです。自分の行いを来世の財産に変えるのも誠実さです。慈善に意味を与えるのも誠実さであり、知識に価値をもたらすのも誠実さです。「宗教とは誠実さである」1 というアッラーの使徒ﷺのハディースを受け入れる人は、正しい道に沿って生きようと努力するでしょう。結んだ約束は守り、誠実、正直で、誰のこともだましたりしません。公正さ、正しさ、真実から決して逸れることがありません。人びとや、公共の権利を尊重します。

親愛なる信仰者の皆様!
主のお喜びから私たちを遠ざける諸悪のひとつに、搾取があげられます。搾取とは、人の信仰心や感情、そして弱さを、私利私欲を満たすために操ることです。私たちの宗教の高い価値を利用して人びとをだますことであり、力を得るためなら有形・無形のあらゆる手段を用いることです。すなわち搾取とは、アッラー(スブハーナ ワ タアーラー)を、クルアーンを、預言者ﷺを、人びとを、そして社会を裏切ることに他なりません。

搾取する人びとがアッラーのお喜びを求めることは決してありません。そうした人びとは、イスラームを個人的なものにしてしまいます。自分たちだけが正義と真実を体現していると主張します。「「地上に退廃を引き起こしてはならない」と告げられると、彼らは言う。「私たちはただ、世を改めようとしているだけです」。まぎれもなく、本当に彼らこそ退廃を引き起こす者たち。しかし、彼らは気づかない。」2 と、クルアーンにある通りです。

親愛なるムスリムの皆様!
私たちの貴い書であるクルアーンと、愛する預言者ﷺのスンナを正しく理解し、生活に反映させましょう。自分の家族やそれ以外の人間関係においても、職場においても、あらゆる場面で信頼と誠実を大切にしましょう。私たちの将来を確かなものとする子どもたちのことをないがしろにしてはいけません。家族や身の回り、故郷、祖国、そして人類全体にとり良いことをもたらす人になるよう育てましょう。

[1] Muslim, Iman, 95.
[2] Baqarah, 2/11-12.


「宗教とは誠実さであり、その悪用は裏切りである」(PDF)
とうきょうジャーミイ きんようれいはい の ホトバ(ひらがな と カタカナ)(PDF)