東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「正直さと思いやりをもって仕事をすることについて」

「正直さと思いやりをもって仕事をすることについて」

 

 

 

 

尊敬すべきムスリムの皆様!
私たちの崇高な宗教であるイスラームは、平和で公正な人生への道筋を示し、職業や取引上の基本的な原則と指針を定めています。イスラームは、取引についても、その他の仕事と同じように、ハラールとハラームに注意深くあること、また正直さや誠実さ、そして思いやりを導きの原則とするよう命じています。どん欲や強欲、嘘と欺瞞、詐欺や不正など、あらゆる違法かつ不道徳な行為を禁じています。最初に引用した章句の中で、全能の主swtは告げておられます。 「信じる者たちよ。同意の上での商売でない限り、あなたがたの間で、互いの財をたわむれに貪りあってはならない。また自分たち自身を殺し合ってはならない。本当にアッラーは、あなたがたにいつも慈悲深い。」1

親愛なる信仰者の皆様!
信仰者は、取引においては現世での利益だけではなく来世での精算のことも考えます。不当な利益や闇市場、利己主義、そして他人や公共の権利の侵害を慎みます。私たちの信仰や伝統において、お金を稼ぐためならあらゆる手段が許されている、などということはないのを知っているからです。信仰者が、より多くの収入を得るために人間の尊厳を侵害することなどできません。困難な状況にある人びとを、搾取の対象としてはなりません。知識のないことを悪用されて、人が傷つけられたり、だまされたりすることがあってはなりません。

親愛なるムスリムの皆様!
ハラールとハラームに対する感受性は、日に日に薄れています。誠実さや正直さといった美徳が弱まってきています。より多くの収入を求めて、道徳的な価値観や法の原則が無視されるようになっています。過剰な消費や贅沢、浪費が、日々 増えています。このようなとき、私たちに課されているのは、「誠実で信頼できる商人は、復活の日には預言者たち、真実の者たち、殉教者たちと共にいるだろう」2 という預言者ﷺの吉報を成し遂げるための努力をすることです。復活の日、自分が何を稼ぎ、また何に費やしたのか、申し開きをしなくてはならないことを、私たちは忘れてはなりません。

[1] Nisa, 4/29.
[2] Tirmidhi, Buyu’, 4.


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とうきょうジャーミイ きんようれいはい の ホトバ(ひらがな と カタカナ)(PDF)