東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「正義:権利を有するすべての人に、相応の持ち分を」

尊敬すべきムスリムの皆様!
私たちの全能の主の美しいお名前のひとつに、اَلْعَدْلُ’があります。アッラー(SWT)は絶対の正義の所有者です。正義の究極の源であり、すべての存在を公平なやり方で扱う唯一のお方です。
正義とは、社会をあらしめるためのもっとも基本的な価値にあたります。それは良心の声であり、平和を保証し、信頼の基盤となるものです。正義は、すべての正当な人に正当なものを与えています。たとえ自分にとって不都合であろうと、正しいことのために立ち向かい、常に正しい側に自らを置くことです。

親愛なるムスリムの皆様!
人生のあらゆる場面において最優先されるときにのみ、正義は本当の意味での正義となります。信仰者は、何よりもまず自分の家族に対する正義を守らなくてはなりません。また、信仰者は、自分が責任をもって見守らなくてはならない者たちに対しても公平であるべきです。信仰者は、職業上においても正義を守り続けねばなりません。社会的な関係においても、正義を守るべきです。

親愛なる信仰者の皆様!
今日、罪のない人びとを、男性、女性、子ども、高齢者の別なく虐殺する抑圧者が、自分たちこそは地上の正義の体現者であると主張しています。直近ではパレスチナ、そしてガザがそうであるように、彼らは「私たちは世界に正義をもたらしている」との言説をもって、都市と町々、国そのものを、生きていくこともできない場所にしてしまっています。自分たちの利益のために、あらゆる人道的・道徳的な価値を侵害しているのです。彼らが犯す筆舌に尽くしがたい残虐な行為と、巻き起こされた扇動や不正によって、多くの痛みと涙がもたらされています。私たちの全能の主は、地上の秩序を乱すこうした抑圧者たちについて、次のように告げておられます。 「「地上に退廃を引き起こしてはならない」と告げられると、彼らは言う。「私たちはただ、世を改めようとしているだけです」。まぎれもなく、本当に彼らこそ退廃を引き起こす者たち。しかし、彼らは気づかない。」1

親愛なる信仰者の皆様!
過去において忘れられていた、イスラームに専心する信仰者とは、地上に正義を確立する者であるという真実を、今こそ思い出さなくてはなりません。失われた正義を、私たちのこの世界に確実によみがえらせるため、責任に応じた努力をはらいましょう。人生のあらゆる場面において権利を尊重しましょう。真実が語られるのを妨げないようにしましょう。抑圧者には立ち向かい、また抑圧者が誰であろうと、その抑圧がどちらから差し向けられたものであろうと、抑圧された者の味方になりましょう。未来への希望を生かし続け、神の正義は必ず実現するという信仰を失うことのないようにしましょう。

[1] Baqarah, 2/11-12.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「正義:権利を有するすべての人に、相応の持ち分を」