東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「楽園:信仰者の永遠の館」

「楽園:信仰者の永遠の館」

親愛なるムスリムの皆様!
ホトバの最初に朗読した章句において、全能の主(swt)は次のように告げておられます。「信じて正しい行いをする者たちには、楽園のフィルダウスがそのもてなしとなる。永遠に、その中に住まうだろう。彼らは、そこからどこへも移りたがらないだろう。」1 本当に、天国こそは主(swt)が私たち信仰者に約束してくださったものです。「アッラーを主とし、イスラームを宗教とし、ムハンマドを使徒とすることに喜ぶ者には、楽園が保証される」2 という預言者(saw)の言葉にあるとおり、崇拝によって信仰を、善良な道徳によって人生を飾る人は、アッラー(swt)の慈悲により天国へ行くことでしょう。 どのような事態や状況においても真実を掲げ、約束を守り、委ねられたものを尊重し、純潔を守り、ハラームを避け、悪行から距離を置く信仰者には、天国で祝福が与えられるでしょう。怒りではなく愛を、敵意ではなく平和を、悪ではなく善を優先させ、抑圧者に対しては常に抑圧された人びとの側に立つ信仰者は、天国で歓迎されるでしょう。寛大さによって貧しい人びとに喜びをもたらし、寛容さによって傷ついた心をいやし、優しい言葉とあたたかな笑顔で周囲の人びとに平和を広める信仰者は、天国の祝福をもって飾られるものと定められているのです。

親愛なる信仰者の皆様!
時に天国への道は、おとろえ弱った魂の間を縫うように通り抜けることがあります。人はその心の奥深くへと足を踏み入れなくてはなりません。時として天国への門は、親を失った子の喜びの中でヴェールに包まれています。人はその魂を探し求めなくてはなりません。時として天国の本質そのものが、抑圧された人びとの熱心な祈りの中に隠されていることがあります。人はそうした心からの祈りを聞き逃してはなりません。時として天国は両親、配偶者、子どもたち、親戚、隣人の喜びの中に分かちがたく溶け込んでいます。そうした状態にするために、人は真剣に努力するべきなのです。時には乾いた植物にひとしずくの水をそそいだり、動物を手厚く世話したりするといった簡単なことで天国の門が開くこともあります。どんなささやかな善行であれ、軽んじるべきではありません。時に天国への鍵は、他人の過ちを許したり、欠点を隠したりすることにあります。許しと寛大さが軽んじられてはなりません。時に天国への道は、兄弟姉妹の口から心に届けられる、心からの挨拶によって舗装されることもあります。人はこの道を忍耐強く歩むべきでしょう。

本日のホトバを、アッラーの使徒(saw) の祈りをもって終わります。「アッラーよ。言葉と行いによって近づける楽園をあなたにこい願います。」3

[1] Kahf, 18/107, 108.
[2] Muslim, Imarah, 116.
[3] Ibn Majah, Du’a, 4.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ「楽園:信仰者の永遠の館」(pdf)
とうきょう ジャーミイ きんようれいはい の ホトバ(ひらがなとカタカナ/pdf)