東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「斎戒:体の健やかさ、心の平安」

尊敬すべきムスリムの皆様!
暗誦した章句において、全能の主は次のように告げておられます。「信じる者たちよ。あなたがた以前の者たちにも定められたように、あなたがたのために斎戒が定められた。それであなたがたも、畏れる者となるだろう。」1
また、ハディースにおいて私たちの預言者(saw)はこう語っています。「ラマダーン月の斎戒を、誠実な信仰心によって行い、アッラーの法集を望む者は、過去の罪を赦されるだろう。」2

親愛なるムスリムの皆様!
断食、斎戒とは単に食べもの、飲みものを控えるというだけではありません。その真の本質とは、私たちの心、魂、存在全体を包み込むことによって達成されます。斎戒は私たちの体には健やかさを、心には平安をもたらしてくれるものです。
心の斎戒とは、主のお力と慈悲について熟考することを意味します。アッラー(swt) と、その使徒(saw)への愛を差し置いて、それ以外の何ものへの愛も置かないことを意味します。また、憎しみや嫉妬など、心を暗くする邪悪な考えや感情をすべて手放すことも含まれます。舌による斎戒とは、嘘やうわさ話、中傷、とげとげしい言葉や攻撃的な言葉を慎むことを意味します。また、他人の人格や評判、価値を軽んじるような侮辱は控えることも含まれます。耳による斎戒とは、悪い言葉や邪な言葉を聞かないようにすることを意味します。また、聞いたことを調べもせずに真実として受け入れないことも含まれます。アッラーの使徒(saw)は、この点について「邪悪かつ無知な発言をやめず、またそうした発言に従った行動をやめない者に対し、アッラーは斎戒の必要を認めたまわない」3 、と警告しています。

親愛なるムスリムの皆様!
手による斎戒とは、ハラームな物事に手を出さないことを意味します。また、ハラールではないもの、不当なものから手を遠ざけることも含まれます。足による斎戒とは、アッラー(swt)とその使徒(saw)が定めたまっすぐな道に従うことを意味します。また、善行や慈善の追求のために歩みを進めることも含まれます。
尊敬すべきムスリムの皆様!
斎戒とは、イフタールやサフールの食事を、必要としている人びと、極貧の状態にある人びと、親をなくした子どもたちと分かち合うことを意味します。それは世界じゅうで飢えと渇きに苦しむ人びとのことを思い出すという意味でもあります。迫害の下でうめき声をあげるムスリムの兄弟、姉妹たち、特にガザや東トルキスタンの人びとの痛みを真に感じ取ることを意味します。それは私たちの行動、言葉、持てるものを通して、抑圧されている人びとを支援し、擁護し続けることを意味します。それはまた、他者を抑圧する者、あるいは抑圧の手助けをする者に対し、たとえどれほど小さなことであろうと、経済的にも手を貸さず拒否することを意味してもいるのです。

[1] Baqarah 2/183.
[2] Bukhari, Sawm, 6.
[3] Bukhari, Sawm, 8.


東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「斎戒:体の健やかさ、心の平安」
とうきょう ジャーミイ きんよう れいはい の ホトバ さいかい:からだのすこやかさ、こころのへいあん