東京ジャーミイ 金曜礼拝のホトバ 「精神的な日々、聖なる三か月に向けて」

金曜礼拝のフトバ

尊敬すべきムスリムの皆様!
全能のアッラーは次のように告げておられます。そして競い合いなさい、あなたがたの主の赦しを得るために。諸天と大地ほどにも広い楽園は、畏れる者のために用意されている[1]
また、預言者ムハンマドはハディースを通して次のようなドゥアを私たちに教えています。 「アッラーよ、あなたは最もよく赦す御方、赦すことを好まれる御方。ですから、どうぞ私をお赦しください」。[2]

親愛なる信仰者の皆様!
私たちは、全能のアッラーからの数えきれない祝福とみめぐみが、私たちの暮らしに豊かさとやすらぎをもたらす聖なる三か月を迎えています。この精神的な日々に私たちを導きたもう全能のアッラーに、尽きることのない讃美がありますように。崇拝すること、服従すること、悔い改めること、罪の赦しを求めて祈ること、祈願と嘆願をそのウンマに教えた預言者ムハンマドに、サラートとサラームがありますように。

親愛なるムスリムの皆様!
聖なる三か月が示しているのは、私たちが思慮の無さから目覚め、アッラーのしもべとしての意識を通して自分自身を浄化することです。聖なる三か月とは、毎年、私たちがその訪れを待ち望む貴重な日々であります。この日々の間は、神聖な慈悲と赦しにすべての被造物を受け入れてもらえるのです。ムスリムたちは、共に捧げる礼拝へ自然と引き寄せられてゆきます。
全能のアッラーからそのしもべたちに対する、尽きることのない祝福へと開かれる最初の扉がラジャブ月です。ムスリムの信仰と、アッラーに対するご加護の求めが、また預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)に対する誠実さと愛情が示される月です。

尊敬すべき信仰者の皆様!
ラジャブ月の後には、ラマダン月のために自分自身の精神と身体の準備を整えるシャアバーン月を迎えます。悲痛や懲罰から自分を守ること、赦しと平安を得ることは、アッラー(スブハーナワタアーラー)に仕えることの中にあるのを考えさせられる月です。
聖なる三か月の最後にあたるラマダン月は、その始まりは慈悲を、それから赦しを、そして終わりには地獄からの救済を示しています。ラマダンとは斎戒とクルアーンの月であり、アッラーのために持てるものを費やし、ザカートを支払い、浄め、沈思黙考する月であります。ラマダンが終わりを迎える頃には、その価値を知る人にとっては千の月よりも多くの聖なる祝福にあふれているというライラトゥル・カドルを祝います。そして最後に、アッラーの従順なしもべとしての幸福と共に、私たちはイードゥル・フィトルを迎えることとなります。

親愛なるムスリムの皆様!
この聖なる三か月を、心からアッラーに従い、正しいあり方で崇拝を捧げ、良い道徳に沿った生活を送る機会としてとらえましょう。あやまちや罪を悔い改めましょう。悪い習慣があるなら、やめるようにしましょう。アッラーがラジャブ月とシャアバーン月を祝福し、私たちをラマダン月へと導いてくださいますように。

[1] Al-i ‘Imran, 3/133.
[2] Tirmidhi, Da’awat, 84.


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